お願いだから、今だけ話を合わせてください【呪術廻戦】

今だけは『彼氏』で ページ4

私は今、猛烈にデジャヴを感じている。
今日は任務帰りではない。五条にパシられて、饅頭を買いに行く途中だった。


顔は違うが、またも私はカツアゲされている。
クゥゥゥゥッッッッ！！！！人間だから殴れない！！！！！

私は、また拳を握り締めてぐっと堪えた。




「ねぇねぇ、お姉さんいいじゃーん、俺らと遊ぼ」

「かたじけない………」

「え、何で急に武士？」

「私は今急いでるので……」

「いいじゃん、いいじゃん。遊ぼーぜ？」



しつけぇぇぇぇぇぇ！！！！！

殴りたい！！けどここは人が多くいるし！！！昼間だし！！！帳おろそうかな？でもなぁ〜〜〜〜！！！！


ん？



ふと視界に見たことのある背中を発見した。



「なーなーみー！！！！！」


私が大声で呼べば、その背中はピタリと歩む足を止めた。


あ、こっち見た。

助けて！！ね！！助けて！！後輩！！！


「………」


おいこら！！！逃げるな！！面倒くさいからって逃げるな！！！私は野郎を押し退け七海の元へ走る。


「あ、待てよ！どこいくんだよ！！」


追いかけてくる！？普通！！大人しく引き下がれよ！！


「も〜、七海ったら。置いてくなんて酷いぞ☆」


野郎に追い付かれる前に七海の腕を掴み、引き止める。その心底嫌そうな顔やめてくれ。傷つく。


「なになに？彼氏さん？」

「ちょっと彼女さん借りてもいいっすか〜？」



諦め悪いな！？その執着心なんなん！？怖いよ！！！

初対面だよね！？私たち！！！


「はぁ………あとで奢ってくださいよ」


ボソリと呟かれ、私はそれにこくんと頷いた。

今だけは『彼氏』で→←人物紹介

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す