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「え、！」
「飴嫌い？
チョコもあるけど」
引き出しを漁る川上先輩に、挙動不審になるわたし。
え、飴？チョコ？
川上先輩がわたしに？
「もうしょうがないなー
じゃあAちゃんには特別に両方あげる」
わたしに飴とチョコを差し出す川上先輩は普段見せない顔。
「あ、ありがとう、ございます…」
「もーみんなには内緒ね？」
くしゃっと笑う川上先輩に、胸のどこかがきゅっとなって。
ペコっとお辞儀をしてそそくさと自分のデスクに戻れば
「Aちゃん、なんか顔赤くない？」
なんて、磯部先輩にツッコまれたりして。
顔、赤いかな…？
いや、でも、だって！
あんなのびっくりしちゃうよ！
普段あんなに鬼みたいに怖いのに。
"内緒ね？"
なんて、くしゃっと笑うとか。
…ずるい。
そしてわたしのチョロさ。
1人悶々とする傍で
「あー…終わんのかな〜これ」
違う意味で磯部先輩も悶々としていて。
…うん。
月末マジックって思っておこう。
そう決めてやりかけの資料に目を通した。
＊
時間は流れて定時。
「磯部先輩、お先に失礼しま、」
「え！嘘！もうそんな時間！？」
わたしの挨拶を遮り頭を抱える磯部先輩。
デスクの上は山積みの資料。
「あー、ごめんごめん、お疲れさま
気をつけてね」
はっと我に返った磯部先輩は、にこにこして手を振ってくれる。
帰っていいのかな、なんて思いながら川上先輩にも挨拶に行けば
「あ、もう時間か
お疲れ！
気をつけてね」
ちらり、わたしを見たあと、すぐにPCに目を向ける。
今までと一緒。
月末に限らず、いつもの退勤時と同じ。
なのに。
今日一瞬だけど笑ってくれたから？
だからちょっと寂しいな、とか思っちゃうの？
それって単純すぎない？
なんて思いながら
「お先に失礼します、」
わたしもいつもどおりの挨拶をして。
オフィスを出る。
ポケットの中には川上先輩がくれた飴とチョコ。
「う、わ、溶けてる…」
溶けたチョコを口に入れれば一瞬で甘さが広がって。
そのままあっという間になくなった。
それがなんだか少し虚しく思えて。
…早く、明日になんないかな、なんて。
一瞬頭の中に川上先輩の存在が過ぎったことは、誰にも言えない秘密。
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ユカ - 凄くドキドキしながら読んでます(*^^*)更新楽しみにしてます！！ (2022年9月19日 16時) (
レス) @page10 id: 36643bb59d (このIDを非表示/違反報告)
結以(プロフ) - 麗華さん» わ、こちらにもコメントありがとうございます＊ちょっと鈍感ですよね笑、最後まで楽しんでもらえるようなお話になるように頑張りますね◎ (2022年9月17日 21時) (レス) id: 9e61bc6d6e (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - こちらにもお邪魔します<(_ _)>主人公ちゃん、鈍感で、心配になります(・∀・)(^。^)y-゜゜゜続きドキドキしながら楽しみに待っていますね。 身体に気をつけて毎日を楽しくお過ごし下さいませ(#^_^#) (2022年9月13日 18時) (レス) @page7 id: 39e224bf48 (このIDを非表示/違反報告)
結以(プロフ) - ポチさん» ポチさん！コメントありがとうございます＾＾嬉しいです◎更新たくさんできるように頑張ります！ (2022年9月4日 21時) (レス) id: 9e61bc6d6e (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - 更新楽しみにしていました！応援しています(^^) (2022年9月4日 6時) (レス) @page7 id: f337d24cc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結以 | 作成日時：2022年8月30日 23時
