検索窓
今日:10 hit、昨日:10 hit、合計:100,822 hit

じゃあ、屋上に2:25頃に【鈴屋什造】 ページ7

.



私は何かと直ぐ、ほんの一瞬の間に物を壊す
それは壊そうという自らの意思の元の行動では無く
いつの間にか何かが壊れてしまっているという感じで

そのせいでどの区でも一ヶ月近くで追い出される
飯を食い過ぎだ、白鳩殺しすぎだと下らないことで

そして追い出されるとき耳が腐る程言われた言葉
深い溜め息と共に、どうしてお前はすぐ壊すんだと
その問いに私は句読点の一つさえ変えずいつもこう返す


「…だって仕方がないじゃない?私は悪くないわ
全部が脆過ぎて、いつの間にか壊れちゃうんだもん」


そんな感じで今まで住んでいた24区を追い出され
行く宛無く人混みの中をうろうろと徘徊していた私は
私が知るかぎりでは24区の中で一番高いビルを見つけ
そこの屋上に上り、ゆっくり腰を下ろしてぼんやり考えた

確かいつもの言葉を聴いたのは昨日で32回目
最初に1区、次に2区、3区と順序良く転々として


(…計算が合わな、ってあぁ。そうだ思い出した
幾つかリーダーが頻繁に変わるところがあるからな)


ふ、と神様が住むであろう天に一番近い場所で
その神様とやらになったつもりで下界を見下すと
五感の優れた、特に視力に自信のある私には見えた

蟻みたいにちっぽけで、全く同じ動きをする人間
彼奴はこんな真っ昼間から飯を喰ってる。馬鹿だな
じゃあ凄いスピードでそっちに向かうあの車は白鳩の
夜になれば飯なんて此方がお腹一杯になるまで見れたし
馬鹿の喰い場争い、稀にならぐちゃぐちゃの共喰いとかも


「……アハッ、いーじゃん。特等席」


気に入ったから数日いたけれど、物足りない
だって何もかもが此処に有って何もかもが無いのだ
背筋が凍るようなスリルも、全身を駆け抜ける快感も

けれど白鳩に怯える区の連中もその白鳩も
全てが見下せる神様なのに下界に降りたくはない


「どうしよっかなー…」


そんな苛々が募り爪を噛んでいると、ぎいと
錆だらけのボロ扉を開ける耳障りな音が後ろから
続くのは軽い足音。10代半ばの女、いや男だろうか

まぁ何者だろうが無視をしていては不審だ
くるりと、普通に徹して振り返ればそこには



.

▼→←▼



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (101 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
119人がお気に入り
設定タグ:東京喰種 , 合作 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まっちゃ - ああああもっと速く見つけたかった!!タケさんもっと増やして欲しいです…!! (2019年6月7日 18時) (レス) id: 0fdc1c93f1 (このIDを非表示/違反報告)
糖分 - 平子さんホント好き…もっと増やしてくれてもいいんですよ(( (2019年1月4日 0時) (レス) id: e217bd5dbf (このIDを非表示/違反報告)
アホ毛50% - お二人様コメントありがとうございます!此方の作品は完結しておりますのでmix berryという作品にリクエスト頂けたら嬉しいです!! (2016年2月20日 7時) (レス) id: c7c039e431 (このIDを非表示/違反報告)
謳憂(うたう)(プロフ) - 金木くん(白)増やして欲しいです!! (2016年2月18日 13時) (レス) id: 67760cdd1a (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - 郡さんマジ綺麗増やしてくださいお願いします (2015年8月13日 16時) (レス) id: b9de54a5ae (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ウズメ&アホ毛50% | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年2月23日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。