喉飴／【平子丈】 ページ4
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(一回りも年上だ、仕事歴は遥かに長い。あの天才と長くいるならば様々なことを見ているはずだ。それが、それで、私と同階級？)
(平凡すぎる。凡人過ぎる。凡骨すぎる)
その美貌をわずかに歪めて歩く彼女─東A上等捜査官は、特別でないものがきらいだった。
16歳のとき喰種に両親を殺され、17歳で途中入学したアカデミーで主席卒業。一年とたたないうちに二等捜査官になり、18歳で一等捜査官。先日、19歳にして上等捜査官に昇格した。
その胸に飾られるのは白単翼賞と金木犀賞。
そんなAを、人々は第二の有馬貴将とまで称してみせた。生真面目な彼女はその重圧も責任も全て正面から抱えてみせた。
だからこそ強く、非凡でなければいけないと思っている。故にAは平凡を忌避し、その具現ともいえる男を嫌った。
(平子丈！忌ま忌ましい男！)
怒鳴り散らしてやたらとドアを叩きたい衝動を抑えて、軽くノックをする。ややあって平子は会議室から出てきた。
「どうぞ。仰っていた書類、こちらで間違いないでしょうか」
「どうも。……はい、間違いありません。お手数おかけします」
とはいえ、日常のなかで関わるのがこれがはじめてだった。そして恐らく最後でもある。
作戦時とは人柄が変わる者もいるが、新しく得た印象といえば愚鈍そうだという程度。いよいよ以てAは平子が憎らしかった。
苛立ちながらも生真面目なAは、一応目上の人間である平子に一礼する。さあ帰ろう、としたとき、その腕をはしりと掴まれた。
「っ、な、んだ、キサマっ！！」
思わず強く振り払い悪態ついてからはっとする。
幼い頃は恋より友情。世間一般では色恋沙汰に興味をもつ年齢に達してもAはまだその手のことに疎く、CCGに入ってからはクインケが恋人とばかりに鍛練一筋。
異性も同姓もさほど対応に違いはないが、異性との接触がAの弱点であった。例えそれがいっそ憎いほど嫌いな相手であっても。
咄嗟とはいえ冷静さを欠いた行動に、あるいはいまだ残る平子の手のひらの熱にAは顔を赤らめる。
「…東さん、あまり張り詰めすぎない方がいいと思いますよ」
対照的に、表情どころか声色さえ変えず平子は言う。そしてAの手に黒飴をひとつ握らせ、
「あなたは天才ですが、それ以前に子どもですから」
わずかにほほえんでAの頭を一度だけ撫でると、こともなさげに会議室へ戻っていく。
誰もが“天才“と呼ぶAを“子ども“と言ってのけた。その瞬間から、平子は特別であったのだ。
(小さな隙間から、手を伸ばしてみた)
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まっちゃ - ああああもっと速く見つけたかった!!タケさんもっと増やして欲しいです…!! (2019年6月7日 18時) (
レス) id: 0fdc1c93f1 (このIDを非表示/違反報告)
糖分 - 平子さんホント好き…もっと増やしてくれてもいいんですよ(( (2019年1月4日 0時) (レス) id: e217bd5dbf (このIDを非表示/違反報告)
アホ毛50% - お二人様コメントありがとうございます!此方の作品は完結しておりますのでmix berryという作品にリクエスト頂けたら嬉しいです!! (2016年2月20日 7時) (レス) id: c7c039e431 (このIDを非表示/違反報告)
謳憂（うたう）(プロフ) - 金木くん（白）増やして欲しいです！！ (2016年2月18日 13時) (レス) id: 67760cdd1a (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - 郡さんマジ綺麗増やしてくださいお願いします (2015年8月13日 16時) (レス) id: b9de54a5ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウズメ&アホ毛50% | 作者ホームページ：なし
作成日時：2015年2月23日 18時
