叫声／【佐々木琲世】 ページ22
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寒い。無意識の内にがたがたと身体が震える
脳が体を暖めようと命令を出しているからだそうで
人間じゃない、こんな僕でも、できるんだなと考えた
雪が降っているにも関わらず薄着のまま
シャトーの玄関先で縮こまって、座り込んで
誰にも会いたくなかった。会っちゃ駄目な気がした
白い粒が淀んだ空から落ちる。道理で冷える筈だ
冷たい寒い寂しい。震える掌を握り合わせたけど
両手共に何も変わらず冷たい侭で暖まりはしなかった
(だれか、ぼくの、となりに)
『あぁ可哀想。可哀想だねハイセ』
自分から離れた癖にそう願う自分が酷く滑稽で
ちっぽけな、氷みたいに冷えきった心が虚無感に満ちる
ふと、何の気なしにぼんやりと夜空を見上げて
沢山の仲間と共に煌めく星に嫉妬し、酷く焦がれた
だって僕は独り。どれだけ近くても、いつも壁越しだ
捨てなければいけないもの、聴こえる声
弱い僕、僕の知らない僕の二十年間、愛しい人
それら全てが溢れ返り一杯になる僕の小さな脳みそ
嫌だ嫌だ死んでしまいたい消えてしまいたい
全てを捨て、眠ってしまえたら一体どんなに楽か
(…ねむい、ゆき、つもってきた)
『なら寝ればいい』
睡魔が襲ってきて、部屋に戻ろうとしたけど
冷えきって重くなった身体は動くことを拒絶した
耳元でばふ、と音がたち、一瞬理解出来なかったが
自立していた上半身が力を失ったのだろうと理解した
そこまで考えてからゆっくりと瞼を閉じて、思考を放棄
大丈夫。だって僕は皆とは違うんだから
簡単にら、死だりしない。ただ、寒いだけだ
「ハイセくん」
けれど、突然響いた声により睡眠は妨害される
頬を軽く何度か叩かれて目を開けると彼女がいた
彼女は薄黄色のマフラーを僕に巻いて満足そうに笑う
風邪ひいちゃうよなんて、優しく笑いながら言ってきて
言いたい事は、本当に溢れそうな程あったのに
口からは言葉ととれない様な小さい音しか漏れない
代わりに嗚咽が溢れて氷のような頬に熱い雫が伝う
それを見た彼女は微笑み、手袋を取って腕を伸ばして
暖かい掌で僕の頭と頬を撫でて溢れる雫を拭っていった
強くなれ。そんな、聞き慣れた声が頭に響いた
優しい、大事な人のことを、守りたいものを守る為に
「ありがとう、ございます」
今たった数分だけは、助けてと縋ってみても
心の底から、寂しいと、泣いてみても良いだろうか
(見えない誰かの、笑い声が飽和して)
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まっちゃ - ああああもっと速く見つけたかった!!タケさんもっと増やして欲しいです…!! (2019年6月7日 18時) (
レス) id: 0fdc1c93f1 (このIDを非表示/違反報告)
糖分 - 平子さんホント好き…もっと増やしてくれてもいいんですよ(( (2019年1月4日 0時) (レス) id: e217bd5dbf (このIDを非表示/違反報告)
アホ毛50% - お二人様コメントありがとうございます!此方の作品は完結しておりますのでmix berryという作品にリクエスト頂けたら嬉しいです!! (2016年2月20日 7時) (レス) id: c7c039e431 (このIDを非表示/違反報告)
謳憂（うたう）(プロフ) - 金木くん（白）増やして欲しいです！！ (2016年2月18日 13時) (レス) id: 67760cdd1a (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - 郡さんマジ綺麗増やしてくださいお願いします (2015年8月13日 16時) (レス) id: b9de54a5ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウズメ&アホ毛50% | 作者ホームページ：なし
作成日時：2015年2月23日 18時
