【番外編】淡い楽園 ページ9
ショタ五条が歪んでなかった世界線。
ランキング入りのお礼です!
"これ!あげるね!"そう言ってAは、俺の頭に花の冠を被せてきた。
俺が片手で歳を数えられる頃から遊んでくれるA。
俺が、五条家とか次期当主とかそんなの関係なく接してくれる。
"今日は、五条くんのねお家の近くにあるお花畑に行きたいの!"そう元気よく言ってくるものだから断れるわけなんてなかった。
Aに連れられて嫌そうな顔を俺はしたけど内心嬉しかった。
鼻歌を歌いながら器用に花の菊を編んでいくAに俺はつまらなそうに"それなんのために作ってんの?"と心底呆れたように聞く。
待ってましたと言わんばかりに"五条くんに渡すため!"と言って俺の頭に冠を乗せてきた。
その瞬間、まるでその時が永遠のように感じられた。
夕日に照らされ輝くAの笑顔、ずっと、いや、前からすきだった。
多分、無理矢理家柄っていうつまらない言い訳を並べてこいつを好きになっちゃいけないなんて思ってた。
でももう、それを抑えるなんて理由も意味も俺には見つからなかった。
両手で冠を乗せてきたAの腕を掴んで"お前、俺の許嫁な!絶対結婚しろよ、約束だからな"
多分、夕日より俺の顔は真っ赤だった気がする。
そんな火照った顔を笑うように"いいよ"なんて純粋な笑みを浮かべてきやがった。
"絶対、絶対だかんな"ぎゅっと抱きしめて"そんなに心配しなくたってずっと一緒だよ"なんてけらけら笑うA。
"うるせぇよ"恥ずかしそうに言えばAは小指を差し出してきた。
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作者名:bqvvxy | 作成日時:2023年12月12日 20時