狂おしき愛【五条悟】 (ページ6)

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おにごっこページ6

"ただいま"なんて帰ってくるはずの言葉を発する。
わかりきっていたけどここまで馬鹿なんて思ってもいなかったからため息をついた。
まぁ、おにごっこは嫌いじゃないから付き合ってやるか。

外を出ればもうあたりは真っ暗。
月の光なんて見えず雲に覆われている、まぁ光なんてなくても俺にはAの姿が見える。
わざとAが隠れているあたりに近づいて"Aどこにいるんだろう"なんで馬鹿らしい。

口で声を殺し隠れている物陰にAの隣を通り、Aの安堵した表情に滑稽さを覚え

"みぃつけた"

まるで獲物が捕食者に見つかった時のように絶望していた。
じんわり滲むAの視界に映ったのは異常なほどに愉快な俺の顔だろう。

"ん、おはよ"瞼が少し腫れていて可哀想だなんて思ったがどうでもよくなった。
俺の顔を見ると泣いて謝るAに"そんなに謝るぐらいなら最初からしなきゃいいじゃん馬鹿なの？"呆れたように言えばもう何も話さなくなってしまった。

"じゃあ俺と約束してよ、ここをもう2度と出ないって"そう言って小指を出す。
きょとんとしているAに
"わかりやすく言ってやるよ、その脚切られるか、ここでずっと俺と一緒にいるか、頭の悪いお前でもわかるだろ？"

震え固まるAに"早くしろよ"なんて急かせば抵抗或いは否定の言葉が聞こえた。
"ほんっと馬鹿なんだな"その体に叩き込んでやるよ。

※恋人のあるべき姿→←被虐の同情