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オォ…ン、と遠くから遠吠えが聞こえた。


軍艦の上、血溜まりに浸る甲板の真ん中。最後の海兵をちょうど嬲り殺したところであった人物は掴んでいた首をべしゃりと落とした。


カソックを濡らし、その美しい顔ばせにへばりつき白い手から滴る鮮血はどれも軍艦に乗っていた海兵のものだ。


｢…アヴェンジャーが近くにいるようだね｣


びしゃりと血溜まりを跳ねて遠吠えの聞こえた方を向く。


曰く、復讐に燃える彼の人は巨大な犬に乗っているらしいが姿は見えない。


近くに来たら明日はないらしいが、それは死ある者にのみ当てはまることだ。

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作者名：クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ：なし  
作成日時：2018年8月20日 17時

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