傷を抱えた私達は (ページ32)

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3「俺を振ってください」

『えっ…？』

3「自然消滅したとはいえ、まだ俺たちの関係は曖昧なままだろ？だからちゃんと幼なじみに戻りたいなって」

『それは、また幼なじみとして私と関わってくれるってこと？』

幼なじみと付き合って別れたらもう二度と幼なじみに戻れないものだと思っていた

あの頃のようには喋れないのだと思っていた

3「あぁ。また最初から幼なじみを始めようよ」

幼なじみって始めるものなのかな？と思いながらも、凄く嬉しかった

ん
『うん！！稜雅、私なんかと付き合ってくれて、告白してくれてありがとう』

3「こちらこそ、幸せな時間をありがとうございました」

『これからは幼なじみとしてまたよろしく』

3「おう、任せろ」

幸せな終わり方だと、私達らしい終わり方だと思った

3「じゃあこんなとこで立ち話してんのもなんだしまた連絡するわ」

『うん～待ってるね』

バイバイと手を振ってくるりと自分の家の方に向かおうとする稜雅が、何かを思い出したかのようにもう一度こちらを向く

3「言い忘れてたけど、誰にも遠慮するなよ？拓弥を好きな気持ち」

『えっ…？』

3「じゃあまたな」

『えっ？ちょっと稜雅！！』

ふりふりとこちらを向かずに手を振って行ってしまう稜雅

ほんと、幼なじみって怖い

私が思っていること、全部当ててくんだから

『誰にも遠慮するな。か…』

家に入りご飯を食べ、お風呂に入る

湯船に浸かりながらぼーっとしているとふとひとつの疑問が浮かび上がってきた

『なんで稜雅が草川くんのこと知ってるの？？
そして、なんで私の気持ちはバレてるの？？』

頭の中ハテナだらけだが、まぁ稜雅だからなという言葉で納得してしまう

幼なじみなんてそんなもん