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目が覚めると目に入ったのは見慣れている天井で、私の部屋には誰もいなかった
布団に入っていなかったはずなのに、きちんと布団の中にいるのはきっと草川くんが移動させてくれたからなのだろう
『迷惑、かけちゃったな…』
私の過去だけでも十分重いのに、泣いて寝てしまうなんてやらかしまくりだ、、
先程の自分を殴りたいほど恥ずかしさと申し訳なさで頭を抱える
今何時だろう
ベットの脇に置いてあったスマホを手を伸ばし開くと、LINEの通知が来ていた
1件は柊生から
"また明日、学校でな!無理すんなよ〜"
もう1件は…
"拓弥です。柊生から貰って追加しました"
『草川くん!?』
思ってもいなかった人からのLINEでびっくりし、布団から飛び起きた
その弾みでスマホを投げてしまいそうになり慌てて握り直す
とりあえずまだ草川くんの方は既読をつけずに柊生に返信をして
ふぅ…と一息付き
『えっ?なんて返したらいいのだろう』
返事を考え始める
無難に"そうなんですね!よろしく〜"とか?
いや、これじゃあ軽いかな?
"追加ありがとう〜"だとそれで会話終わるし…
『あぁ、もうっ!何が正解だか分からないよ』
友好関係はそこまで広い方ではないし、コミュ障だし
男子とLINEなんて柊生とぐらいしかしないし
なんて送れば正解なのかわからなくてスマホを握りしめたまま時間だけが過ぎていく
悩みに悩んだ結果
"追加ありがとう〜たくさんお話出来たらいいな!"と送ることにしたけど
送り、自分の文を見返して
『あざとくない?お話すること強制したみたいになってないかな?え、積極的すぎる?』
草川くんから返信が来るまで1人自問自答を繰り返した
返信が来たのは10分後ぐらいで
"俺もたくさんAちゃんと話して、色んなこと知りたい"
と返ってきてキュン死した
ダメだよ草川くん。そんなこと言われたら誰でも草川くんのこと好きになっちゃう
目の前にいないのに心の中で草川くんに説教をする
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作者名:蓮華 | 作成日時:2021年2月7日 17時