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二人の隙間は手を伸ばせば届く距離
でも、伸ばさないと届かない距離
うーん…もどかしいこの距離感が私たちを表しているみたい
何から話そうか。今回呼んだのは私なのだから私から話をふらなきゃダメだよね
考えた結果、無難に自己紹介からすることにした。いきなり重い話は…ね、、
『改めてだけど自己紹介から』
なるべく優しい声を意識して話す
「えっと…草川拓弥です。クラスは2組、こちらこそよろしくお願いします」
2組、やっぱり海と一緒のクラスだね
初対面じゃないのに、お互いぎこちない自己紹介になってしまったため、2人して顔を見合わせて、笑ってしまった
本当はこのまま楽しい話をして笑いあっていたいけれどもそうはいかない
本題に入らなきゃ
『スポーツ大会の日、私を連れ出してくれてありがとう』
あの時本当に草川くんが王子様に見えたんだよ？とは恥ずかしいから言わないでおくけど
「いや、俺の方こそ何も言わなかったのに着いてきてくれてありがとう」
そういえばなんで私を連れ出したのだろう？という疑問は浮かび上がってきたけれどもきっと暇そうだったからだろうと自分なりに答えを出し完結させた
えーっと、次は何を言えばいいんだ？
私の過去を話す前に言わなきゃいけないことがあったはず…
昨日の夜考えた話の流れを必死に思い出し
あ、そうだまず、、
私は草川くんに頭を下げて
『ごめんなさいっ！』と謝った
きっと草川くんの1番深い部分を草川くんからではなく柊生から聞いてしまったから
柊生が勝手に話したといえばそうだけれども、やっぱり罪悪感があるからきちんと謝りたかったのだ
『実は、柊生から草川くんの過去聞いたんです…』
('-' ).........。
嫌われるかな、怒られるかな…
草川くんの反応を待つけれども彼は何も言わないし表情すら変えない
完全に固まっている…
沈黙の時間が少し流れたあと
「どう思った？俺の過去を聞いて」
ゆっくりと視線を下に向けながら恐る恐るといった感じで聞いてきた
手はぎゅっと握りしめてあり、草川くんは私が過去を聞いてどう思ったかが怖いんだなとわかった
どう思ったか、ね…
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作者名：蓮華 | 作成日時：2021年2月7日 17時
