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気にしてなかったと言っても心のどこかで気にしていたのを、この出来事で現実を突きつけられて草川くんの心は深く傷つき、今も苦しみ続けているのだろう
[まぁ、あくまでもこの話は俺が拓弥から聞いたのと杏から聞いた話をミックスしてるから全部は鵜呑みにするなよ?]
『うん、わかってるよ。でも、草川くん私と一緒にいる時はずっと寝てるけど…?』
[そうらしいな。まぁ、だからこの過去を話したんだけどさ]
柊生が何を考え、この話を私にしたのかは未だわからないけれど
この話を聞いて私は、おこがましいかもしれないけど草川くんを助けたいと思った
それと同時に草川くんの過去を一方的に聞いてしまったため、罪悪感というかなんというか…
『ねぇ、柊生。お願いがあるんだけど』
草川くんはその後、転校してきた柊生により
クラスの輪に戻ることが出来たらしい
[まぁ、俺のおかげだな!]
柊生は笑顔で私の方を振り向いてそう言ってきたが、右手のひらには爪が深くくい込んだ後があった
柊生だって、この話をするのは容易ではなかったのだろう
だから私から表情が見えないように話した
いつかの柊生が言っていた
[Aと拓弥って似てるな]という言葉
その本当の意味が今日、わかった気がした
その後は杏が作ってくれた昼ごはんを3人で食べて、私が寝るまで2人はそばにいてくれた
眠りにつき起きた頃には母が帰ってきていて、2人はいなかった
LINEで2人にお礼をして、ベットの中で先程柊生から聞いた話をもう一度思い出す
草川くんの過去、私の過去
どちらが辛いとかそんなの比べられるわけない
全く違う道を歩んできた2人だけれども、こうして交わったのは何かの運命だと思うから
夜ご飯を食べてお風呂に入り、明日に備えて早く寝る
明日、自分がすることを考えるだけで少し手が震える
でも、一方的じゃ嫌だから
私も向き合って草川くんと一緒に前に進みたいと思ったから
深く息を吸い、ゆっくり吐く
明日上手くいくことを願いつつ、早めにベットに入った
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作者名:蓮華 | 作成日時:2021年2月7日 17時