傷を抱えた私達は (ページ17)

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6月1日ページ17

久しぶりに動いた代償か、精神的にくるものがあったのか原因はわからないけれども熱を出した

幸い今日は土曜日なので2日間休めば月曜日には学校に行けるだろう

杏に遊びに誘われた時に熱出したと報告するとお見舞いに行く！とメッセージが来た

熱出すと1人になりたがらない私に気を使ってくれたのだろう

寝れば悪夢を見て、起きていても精神が落込みやすいため過去の出来事を思い出しやすい

つまり熱を出していいことなんてない

両親は仕事だし、兄弟はおらず一人っ子だし

1人でこの家にいることが心細くてただひたすら杏が来るのを待った

杏が来たのはお見舞いに行く！というメッセージが来て30分後だった

ピーンポーンとチャイムが鳴り慌てて玄関を開けると

[よっ！]

なぜか柊生がいた

『へっ？』

もちろん柊生の後ろには杏もいるけど

[お邪魔しま～す]

当たり前かのように家に入ってくる柊生と笑っている杏を交互に見て、はてなマークを頭にうかべていると

杏『柊生も来るって言わなくてごめんね？なんかあいつAに話したいことあるって言うからさ』

と申し訳なさそうに謝られる

『いや、大丈夫だけど…』

私に話したいことってなんだろう？

ぽーっとする頭では何も思いつかなくて、とりあえず杏に促されるがままに自分の部屋のベットに戻る

ベットに横になると私の部屋のカーペットに座っている柊生は杏の方を向き

杏も柊生の方を向き頷いたあと

杏『お昼ご飯作るからキッチン借りるね？』

と部屋から出ていってしまった

シーンと静まった部屋に二人きり

柊生はベットに背中を預けているためどんな表情をしているのか私からは見えない

なかなか何も言い出さない柊生に私から切り出す

『話したいことってなに？』

柊生は一瞬ちらりとこちらを見たあと、また向こう側に視線を移して

[今から話す話しは勝手に俺がAには知っていてほしいと判断して話すことだから]

そう前置きをして

[これはまだ俺らが中学２年生の時のお話]

昔話を話し始めた