傷を抱えた私達は (ページ44)

今日:24 hit、昨日:14 hit、合計:20,528 hit

・ページ44

『強行手段やるかもって聞いた時嫌な予感してたけど、草川くん苦しめちゃダメでしょ！！』

と怒る。というか過呼吸になった時見てないで助けてあげれば良かったのに

[ごめん。拓弥に自分の気持ちに素直になってほしかったんだけどやりすぎた…]

『うん、やりすぎだよね。限度があるでしょ限度が！！』

柊生に対して怒ったことなんて今までなかったけど、今回に関してはちゃんと怒っとかないと草川くんに対してまた何かやりかねない

[すいませんでした…]

しょんぼりとしている柊生を見て

『もうやんないでよね？』

と言おうとしたら、後ろからちょいちょいとカーディガンを引っ張られ草川くんの方を向く

『どうしたの草川くんってうわぁ！？』

草川くんの方を向いた途端抱きしめられ、肩に乗せられたおでこ。

顔に触れる髪がくすぐったい

「俺、Aちゃんが好き」

小さい声だけれどもはっきりと聞こえた言葉

それは私が1番草川くんから聞きたかった言葉だった

『えっ？』

ちょっと夢か確かめたくて、頬をつねるのに草川くんの腕から抜け出したかったが抜け出させてくれない

「俺、Aちゃんがいなくちゃ死んじゃうかも…」

幻聴でこの言葉プラスくぅ～ん…みたいな犬の声まで聞こえてきた

子犬なのか、草川くんは

少しの間現実を受け入れられずというか頭が追いつかなくて変な思考をしていたけれども

段々、お互いが好き同士で告白されたということが理解出来てくると涙が出てきた

泣き始めると草川くんの温もりが消えて困ったかのような顔をした草川くんが私の涙を拭く

「えっごめっ、、」

『ちがっ、違うの…嬉しくて』

もう、離したくないな。そう思って今度は私から草川くんをぎゅーっと抱き締める

これだけで伝わるかもしれないけれど、ちゃんと言葉にしないと全部は伝わらないから

『私も草川くんのこと好き。最近避けられてたからもう好きじゃないんだと思ってた』

と言う。けれども言ってる途中でさらに涙が溢れてきてしまった

草川くんはそんな私をあやすかのように背中をさすってくれる

「ごめんね。海とか柊生といるAちゃんを見ると嫉妬しちゃって」

『寂しかったんだからね。というか柊生には彼女いるし』

「はぁ！？俺、初耳なんだけど！？」

柊生と草川くんって中学からの友達なんじゃ…と思いながらも杏のことがあったから話してなかったんだなと納得した