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それから2週間、無事に高校生になった。部活見学の1年生も増えてくる中で、仮入部してきた徹也という友達ができた。
「先輩ちっちゃくて可愛いっすねえ」
『うるせえ！ 喋る暇あったら走れー！』
「もう部活終わったじゃないですか！」
『自主練しなさい！』
個人的には優しくてめっちゃいいやつだと思う。思うけど……
最近来るようになったばっかりのくせに、異常にAに絡みまくる。そこだけが面白くない。
「つれないA先輩も好きですよ！」
『うざいなあ……』
ドMなのか何を言われても挫けないし、喜んでいる。Aもちゃんと反応してくれるから調子に乗る一方だ。
「でも先輩、まじで可愛いですよ。ちっちゃいとか関係なしに！ モテるんじゃないですか？」
なぜかドキッとした。Aがモテるとか、そんなの俺知らない。聞いたこともないし考えたくもない。……ん？ 考えたくない？
『別にモテなくていいよ。彼氏おるし』
「ええー！！！」
「は？」
つい声が出てしまった。2人が気づいていなくて良かったとホッとすると同時に、なぜか心が痛くて苦しい。
『最近できたの。野球部の同い年』
「ええ、俺も狙ってたのに……」
『私年下はタイプじゃないから付き合わんよ。年上か同い年しか無理』
その言葉にまた傷ついた自分がいる。どうしてだろう、なぜか胸の奥底から悲しさが湧き出る。他の男を想って顔を赤くするAを見たくなかった自分がいる。
「最初から視野にないってか！」
『そういうこと。残念でしたー』
どうしたんだろう、今日の俺。変だな。いつかはAにも彼氏ができるんだって分かってたのに、どうして受け入れられないんだろう。
年下は恋愛対象にならない、と本人の口から完全否定をされたくなかった。
「はあ……」
楽しげに会話する2人を横目に溜め息が漏れる。俺の知らないAを知っている男がいて当然なのに。でもAのことを全て知っていると思い込んでいた自分もいて、突然馬鹿馬鹿しく感じられてきた。
「何溜め息ついてんの？」
着替えを終えた夢丸がリュックを背負って歩いてくる。
「ん？ なんでもない」
「……亮くんもまだまだガキだねえ」
そっぽを向けば苦笑いをされる。目線の向こう側では野球部の先輩……ハルキくんとやらが、Aを待ち伏せていた。
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あおやなぎ(プロフ) - AYN98036518さん» 初めまして、ありがとうございます！ これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2021年1月5日 15時) (
レス) id: 098b1a6f9b (このIDを非表示/違反報告)
AYN98036518(プロフ) - 面白いです！面白すぎます！頑張って下さい！続き楽しみに待ってます！！！！！！！ (2021年1月4日 12時) (レス) id: 12406a430a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年5月14日 22時
