#マツコ「男は1人で足りてます!」 ページ37
in 2017
引っ越したばかりで物がない。椅子もテーブルもソファも足りていない。
それぞれが少ない椅子に腰かけて編集したりiPhoneをいじったりする中、僕達は新しい撮影部屋であり徹也の新居でもあるマンションにAを迎え入れました。厳密には俊光が連れてきました。
「おい亮、お前の彼女またナンパされとったんだけど」
「は?」
またというくらいだから俊光がAを救出したのは1回ではないのでしょう。たった3文字に敏感に反応した亮くんはムッとして、眉間に皺を寄せます。
『まだまだモテるもんだねえ!』
「馬鹿。なんで呑気に笑ってんの!」
しかし被ナンパのAはケロッとしています。俊光も頭おかしいのか、なんて呆れていますね。
「聞いてくれよ。虫さんか徹也はカメラ回して」
きっとこれはサブチャンネル行きだな。僕は言われるがままに手元のカメラを持ち、3人にスポットを当てました。
「俺さ、遅刻したやん?」
「してたね」
それ自体は俊光が悪い。コンビニスイーツを人数分買ってきてくれたから許すけど。
「いっつも申し訳ねえからさ、お詫びといっちゃなんだけど差し入れ買っていくかって思ったんだら」
「うん」
「そんで車停めようとしたらさ、駐車場で男2人とチビが揉めてんだよ」
『誰がチビだ!』
うん、今はどうでもいい。Aがチビなのは事実だし。
「しかもそのチビさあ、イケメンの彼女なわけ!」
「ねえ、なんでいじめるの?」
それも今は議論すべきじゃない。亮くんがイケメンなのは事実だし。
「一応知り合いだら? 助けようと思ったわけよ、チビ女を」
もしかしたら俊光のチビいじりはAに構ってもらうための1つの手段なのかもしれません。僕にはそう思えてきました。
「車降りて警察呼ぶ準備もできとったのにさあ、こいつなんて言ったか分かる?」
私男は1人で足りとるんだわ、散れよ短小ども。
可愛い顔からは想像もできないような言い方です。短小なんて言われた暁には、ブチギレるか落ち込むかの2択になると思います。
「そんで兄ちゃん達が殴ろうとしたらさ、それだから土曜日の昼間っからナンパせざるを得ないほどモテないんじゃない、って避けるし正論で返すわけ」
勘弁してほしいよな、と俊光は苦笑いしました。ちなみにAは逆にヤンキー2人を泣かせたらしい。
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あおやなぎ(プロフ) - AYN98036518さん» 初めまして、ありがとうございます! これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2021年1月5日 15時) (レス) id: 098b1a6f9b (このIDを非表示/違反報告)
AYN98036518(プロフ) - 面白いです!面白すぎます!頑張って下さい!続き楽しみに待ってます!!!!!!! (2021年1月4日 12時) (レス) id: 12406a430a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおやなぎ | 作成日時:2019年5月14日 22時