人生の中に。 ページ33
in 2011
『りょう、おはよう……』
「おはよう。A寝ないで?」
勝手に自然消滅させられていたのが気に食わない。何が、誰がAを暴挙に駆り立てたのか。自分でも驚くほどにしっかり準備をして、彼女の1人暮らしの部屋に強引に押しかけたのが昨日の夜だった。
『2度寝していい……?』
「えー、ダメ。時間もったいないじゃん」
『もったいなくないぃ……』
朝ご飯のサンドイッチは作ってくれたものの、Aはとても眠そうにベッドに寝転がる。枕に顔を押し付けて、グリグリ動かしている。
『3時間しか寝とらん……』
夜寝かせなかったのは自分だ。無我夢中でAの体を貪った。初めて見た甘美な姿と声に目が眩んだ。全てを愛した結果、朝日がカーテンの隙間から漏れるくらいには時間が過ぎている。
さすがに疲れていたから2人で抱き合って眠った。
『寝る……』
「ねえ、俺いるのに放っとかないでよ」
『無理ぃ……、勉強しといてぇ……』
「じゃあ俺も寝るから待ってて」
急いで食べてキッチンで皿を洗う。歯磨きを終わらせてリビングに戻れば、大の字で寝転ぶAを抱き寄せ、ベッドに入る。
いつもの俺なら日中を無駄にするなんてありえないけれど、Aと一緒なら2度寝だって意味ある時間になる。
『狭いよ……』
「仕方ないじゃん、シングルベッドなんだから」
いつもは遠い彼女の顔が近くにある。トロン、と蕩けた目にツヤツヤの肌。化粧がないと中学生に見間違えられるほどの童顔。見れば見るほど可愛くて愛おしい。
『んっ……』
その唇に自分のを重ねる。小さくもふわふわと柔らかい唇には何度だって触れていたい。1度触れるとあと1回、もう1回を繰り返す。チュッ、チュッ、と口付けの音が響く。
男は単純だからそれだけでも下半身が反応してしまう。
『待って、止まらなくなる……』
「いいじゃん……、止めないでよ……」
Aの太ももに固くなり始めたモノを押し付ける。伝わってるかな、俺はもうそういう気しかない。
『明るいの恥ずかしいっ……』
「俺は全部見たい」
誰にも見せたくない女の部分。これからは俺だけが見れたらいい。俺の男な部分もAだけが知っていたらいい。
1枚1枚部屋着や肌着を脱がし、脱がされながら、俺とAは本能に抗うことなく1つになって互いの体温を抱いた。
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あおやなぎ(プロフ) - AYN98036518さん» 初めまして、ありがとうございます! これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2021年1月5日 15時) (レス) id: 098b1a6f9b (このIDを非表示/違反報告)
AYN98036518(プロフ) - 面白いです!面白すぎます!頑張って下さい!続き楽しみに待ってます!!!!!!! (2021年1月4日 12時) (レス) id: 12406a430a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおやなぎ | 作成日時:2019年5月14日 22時