♯ ページ22
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Aは恐ろしく頑固で1度決めた事物は徹底的にやり通そうとする。3ヶ月に及んだ拒絶に俺は猛対抗したけど本当は心が折れそうで、もう戻れないのではないか、と常に不安だった。
「懐かしいなあ……」
何度自分がAと同い歳だったら、歳上だったらと悔やんだだろう。
『今だから言えること話していい？』
「いいよ？」
Aは苦笑いをする。
『私亮のこと忘れようとしてさ、……合コン行ってた』
「知ってる」
それはあの時直接謝ってくれた。ショックだったけどそうでもしないと忘れられなかったことくらい、なんとなく察せる。
『でも他にも隠してることある』
「隠してること？」
『うん。……その合コンで仲良くなった人と付き合いそうになった』
「マジで？」
それだけは知らなかった。仲良くなった人ともしAが付き合っていたとしたら、俺達は本当に自然消滅していたかもしれない。
別れと紙一重の運命の重さにただただ驚くほかなかった。
『もし亮が来なかったら、私その人と付き合ってたと思う』
俺が家にいたあの日、Aのスマホに彼から食事の誘いが来ていた。もし行けたら伝えたいことがある、と宣言されていた。
『でも断ったよ、当たり前だけど。彼氏がいるのでもう行けません、ごめんなさいって』
「……バカ嬉しいな」
俺との交際に自信が持てなかった子が俺がいるから、と他の男の誘いを交わしていた。その事実を知れただけで暖かい気分だ。
「なんだよ！ 惚気かよ！」
『ブンシュンくんも彼女いるじゃん、あ』
Aは噛みつこうとしたとしみつを軽く交わすどころか、思いっきり弄ろうとする。いや、弄っとるな。
「おいりょう、お前の彼女までいじってくるんだけど。ちゃんと躾とけよ！！」
「仕方ないなあ。Aには言っとくよ、ブンシュンが……」
「おいおいおい」
俺も乗らない訳がなくて悪戯な笑みに同じような笑顔を返した。悪い笑顔だなとか、一緒にいすぎて似てきたなとか、逆に俺達がメンバーのブーイングに晒される。
『東海オンエア、楽しいね！』
「ね！」
この環境を誰よりも楽しんでくれる。俺の仕事を理解してくれるし、俺のちっぽけな男のプライドを受け入れてくれる。
9年、か。来年は10年。随分と長い時間付き合ったな。
……俺もそろそろ覚悟を決めなきゃな。
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あおやなぎ(プロフ) - AYN98036518さん» 初めまして、ありがとうございます！ これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2021年1月5日 15時) (
レス) id: 098b1a6f9b (このIDを非表示/違反報告)
AYN98036518(プロフ) - 面白いです！面白すぎます！頑張って下さい！続き楽しみに待ってます！！！！！！！ (2021年1月4日 12時) (レス) id: 12406a430a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年5月14日 22時
