東海の凸凹

とある撮影にて。 ページ15

.


『ねえ、としみつくん、ざわくん、いくとくん』


「ん？」


『私達は何を見せられとるだ……？』



虫眼鏡です。ただ今絶賛撮影中で、僕はとしみつ、いくと、Aちゃんとその様子を眺めています。

今やっているのはサウナに代わる快楽を求めるもので、てつや、しばゆー、ゆめまる、そしてりょうくんがオムツを履き、排便を促進する薬品をおしりから肛門へ注入し、便意を我慢する所までやってきました。



「分からん」


「俺も分かんないっす」


既にしばゆーとゆめまるはギブアップしていて、てつやとりょうくんのどちらかが陥落、もしくは同時に陥落すれば終了です。



「Aちゃんドン引きじゃん」


異臭漂う撮影部屋で、彼女は冷めた目でてつや達を見守っています。

Aちゃんは東海オンエアの企画に理解がある女の子です。りょうくんが大きな十字架を背負った時も笑い飛ばして受け入れるレベルには肝が据わっています。



『こればっかりは、ねえ……』


しかし便意を我慢し続けるオムツの彼氏だけは無理だったようで、終始呆然としています。



『見てはいけないものを見た感じ。もう男として見れん……』


「それはやだ！！！」


りょうくんの耳にも入ったらしい。足をクロスし、ゆめまるの肩を支えにしながら悲痛な叫びを上げました。



「もういいんじゃないか？」


20分以上経過し、限界突破した2人はいつも通りです、



「よっしゃ！」


1歩も譲らず勝負は終わりました。てつやはオムツの中で、りょうくんはトイレに駆け込んで用を足します。



「にしてもりょう、かなりショックそうだったな」


『実際男として見れんくなるって！ ああいうのはベールがあるからいいんだと思う』


もしかして福尾松永カップルの危機？
便意耐久で破局は面白すぎるなあ。人の不幸は蜜の味、と呼ばれるようにニヤケが止まりません。

てつやがすき間から汁を漏らし、いくと泣かせの事態に持ち込む中、用を済ませたりょうくんが戻ってきた。そのままエンディングを撮る。



「着替える！」


なんの躊躇いもなくオムツを脱いだりょうくんは、すぐにパンツとデニムを履いていつも通りスマートな姿に戻りました。



「もう男として見れないとは言わせんよ」


『ひえっ』


抱きしめられ、囁かれたAちゃんはいつも通り照れるのでした。つまんねえの。

#虫眼鏡はカップルの危機を探りたい→←♯

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す