おにぎり ページ7
二口side
柴崎の家は、小さめのアパートの一室だった。
畳の和室で、部屋の真ん中には小さなちゃぶ台。
壁には、弟との写真や、子供が書いた絵などが張ってあった。
「エプロンは少し小さいかもしれへんけど、堪忍な」
「別に大丈夫」
「ほな、作っていこか」
「はい、先生!」
いか天を棒でたたいて砕き、熱々のご飯に刻みネギと一緒に混ぜ込む。
たったそれだけ。
「すげ、俺でも作れた」
「おにぎりの形は歪やけどな」
「一言余計だな」
「ついでに晩ご飯も作ってしまうんやけど、二口どうする?食べていくか?」
「え、食いたい」
「即答やな。食べるんなら、しっかり働いてもらうで」
今日の晩ご飯はサバの味噌煮とシーザーサラダらしい。
サバの味噌煮とか作れるんだな。
「二口、そこの小鍋取ってくれん」
「これ?…ほい」
「ありがとな」
柴崎は手際がいい。
サラダを作りながら、サバの味噌煮作って、米も炊く。
同時進行とか凄いな。
「すまんな、洗いもんばっかりさせてしもて」
「別にいいよ。晩飯代と思えば安いもんだよ」
そんなことを話してると「腹減ったー」という声と同時に
玄関の扉が開く音がした。
「うおっ!男もんの靴や!姉貴の彼氏!?」
「ちゃうわ、ただのクラスメイト。まず先に手洗いうがい」
「弟、元気だな」
「元気すぎて困るくらいやわ。まあ中学生ったらそんなもんやろ」
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蒼穹@小鳥遊。 - さくらんぼさん» ありがとうございます!早めに更新できるように頑張っていくので引き続きよろしくお願い致します!! (5月7日 5時) (レス) id: 8087978939 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ - すごく読みやすくて面白いです!更新頑張ってください! (3月28日 18時) (レス) @page20 id: 9a6d1464ea (このIDを非表示/違反報告)
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