お話23 ページ6
目の前にいるおじさんに向けてとびきりの笑顔で言う。
「どーもです、ジェイムズさん」
「久しぶりだね、ミドリ君」
助けて！と、目線で叫んでみるが、ハハハと乾いた笑いをされてスルーされる。
ここは、警察庁だ。
そして、目の前には風見さんとジェイムズさん。
ジェイムズさんは良いとして、風見さんはアウトじゃないかな？
風見さん、俺のこと知ってると思うよ。
自害した潜入捜査官だって。
絶対バレてるよね。
諸伏景光だって。
「はじめまして。FBIのミドリです。よろしくお願いします！」
ニコリと微笑んで、右手を差し出す。
向かい合っている風見さんは目を見開き、うろたえながらも握手をしてくれる。
「風見です・・・。お願いします。ミドリさん、私とどこかで会ったことはないでしょうか？」
「はじめてだと思いますけど・・・」
マジでごめん、風見さん。
俺が諸伏です！と叫びたい衝動を押さえ込む。
「そうですか・・・」
シュンとうつむく風見さんを見ると、良心が痛む。
すべて終わったら、風見さんを胴上げしたい。
そして、休みを取らせたい。
今の風見さんは胃に穴が空く数秒前だから。
「ミドリ君、赤井君、行くよ」
ジェイムズさんに声をかけられ、ハッと我にかえる。
颯爽と歩き出した赤井を早足で追いかける。
「ミドリ君、無理はするな」
ジェイムズさんに言われるが、今の状態でもう泣きそうです。
さっきから、後ろから視線がすごい集まってるんだけど。
公安の方々だよね！
さっそく、怪しまれてるし・・・。
「無理をするなというのは、ちょっと難しいですね」
後ろからの情熱的な視線に気づいたジェイムズさんは、また、ハハハと笑う。
笑ってないで、助けてくださいよ。
コツコツと足音が近づいてくるので振り替える。
「はじめまして」
しゃがれているが、人を引き付ける声を持った、おじさんがそこにいた。
かなり身長が高く、顔がかなりの悪人面。
年齢的に、上司だろうか。
「『FBI』のミドリ君」
FBIを強調する辺り、気づいているのだろう。
警察庁に入ってから、五分もしないうちにバレてますけど。
「公安の黒田だ。ずいぶん前だが、うちの捜査官がお世話になったみたいでな、感謝する」
うちの捜査官と言いながら俺を見てくる。
すごい圧をかけられている。
「所持品しか返せなかったのは申し訳ないと思っています」
黒田さんと俺との間にスッと入ったジェイムズさんが言い返す。
ジェイムズさんは神か？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
安曇野レゾ - 桜さん» コメントありがとうございます！ゆっくりですが、更新していくので、よろしくお願いします！ (2018年10月16日 20時) (
レス) id: 8d7d5a4466 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - このあとどうなるかな？続き頑張って！ (2018年10月15日 19時) (レス) id: 4b63d11e04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
