お話22 ページ5
「俺のアイデンティティー！ライ、お前には慈悲というものは無いのか！？」
ジョリジョリと髭を剃られている。
ライによって。
「慈悲？なんだそれは？」
「お前を東都湾に沈めるぞ！」
「君に沈められるかな？」
ギャアギャアとわめくが、華麗にスルーされ、俺のアイデンティティーは姿を消す。
コイツ、マジでやりあがった。
俺の、俺のアイデンティティーが！
「うるさい。髭が無くなったくらいで、人は死なない」
いや、まあ、そうだけどさ。
確かに、髭が無くて死んだ人はみたことが無いけど。
そうじゃないんだよ。
「じゃあ、髪切るぞ」
はい？
「おい、ちょっと待て。なんで切るの？切る必要ある？ってか、お前が切るの？」
さすがの俺でも、髪は許さねえよ？
あの規則の厳しい警察学校でも、この髪型で生き残ったんだ。
前髪を切られると死にますって言って、どうにかしたんだ。
まあ実際は、逃げ回ったんだけど・・・。
「切る！」
ライは無慈悲にもそう言うと、ハサミで俺の髪を切り始めた。
「ああ！ライ、お前、人間じゃねえ！」
「人間だ」
「どこぞの金髪ゴリラと同じことを言うなよおぉぉっっ！」
「金髪ゴリラ？ああ、安室君のことか」
「そうだよ、こんちくしょう！」
バサバサと切られていく髪に懐かしさを覚える。
最近は自分で整えていたから、誰かにやってもらうのは久しぶりだな。
組織の潜入時代には考えられない。
ライに髪を切ってもらうなんて。
「ムスブ、一つ言うが、俺はライじゃない、赤井秀一だ」
突然喋りかけてきたライ、じゃなくて赤井。
しょうがないだろ。
あんな緊急事態に言われた名前なんて、覚えておけるか！
ってか。
「ムスブって誰だよ？」
いや、マジで誰だよ？
名前的に男か？
「お前は、
「ちょっと、よくわかんないな！」
すごく早口で赤井に言われる事に、反射的に返す。
ミドリユイってそのまんますぎるだろ！？
緑川結とほぼ同じ文字だし！
コイツ、偽名考える気なかったな。
適当すぎるだろ。
おそらく、公安に一瞬でバレるぞ。
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安曇野レゾ - 桜さん» コメントありがとうございます！ゆっくりですが、更新していくので、よろしくお願いします！ (2018年10月16日 20時) (
レス) id: 8d7d5a4466 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - このあとどうなるかな？続き頑張って！ (2018年10月15日 19時) (レス) id: 4b63d11e04 (このIDを非表示/違反報告)
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