あたたかい牛乳を一杯 IV

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もう、後戻りはできない。


『ジョンハンが誕生日をお祝いしてくれたの、すっごく嬉しかった。


だけど、普通の友達に戻ろう、って言われて悲しかった。


わざと、私に触れてこないのに気がついた時も、すごく悲しかった。



……ひとりで眠る夜が、いつの間にか寂しかった』





1度言葉にしてしまえば、思いは止まることを知らない。


もう、いいよ。伝えられる時に伝えてしまおう。


タイミングとか時間とか、気にしている場合じゃない。






『……こんな理由じゃもう、なぐさめてくれませんか』



そして言い終わった時には、涙で頬が濡れていた。




いや、まだ全部終わってないや。


肝心なことを、伝えられていないじゃない。






『わ、たし……ジョンハンのこと、』



それから覚悟を決めて、最初の1文字を言おうと息を吸い込んだ瞬間



「A、ちょっと待って」



と、ゆるやかな声に止められた。


そしてさっき後ろに下がった分だけ、距離をつめられて。空間が、埋まる。


ジョンハンの顔は優しく笑っていた。




『……え、』


「俺のも聞いてくれる？」


『う、ん』



えっと、なんだろう。


さすがに告白しようとしたの気づいた、よね？もしかして遮られた？ってことは、遠回しにお断り？



……違うよ。まずはジョンハンの話を聞かなきゃ。



それからちゃんと、また伝えるんだ。なかったことにはしない、絶対に。

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