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「A、ちょうどよかった。もう1人桃鉄やりたがってる人がいるんだ。しかも99年モードで。ね、硝子」
「そそ、五条悟って奴がちょうど全く同じことやりたがってて」
「え?悟は別に誘ってないんだけど」
『俺もお前とはやりたくない』
こんなにやりたいことがマッチしてるんだから頼むから2人で仲良くやってくれ。
そして私を映画館に行かせてくれ。
「ほらA、桃鉄なら悟に勝てるチャンスあるよ?割と頭脳戦だし」
「そうだよ。悟もほら、99年やり切りたいだけなら別に対戦相手が誰でもいいじゃないか」
自分たちに被害が回ってこないように、私と硝子は必死に2人を説得した。
粘ること数分。
「分かった…じゃあもう悟でいい」
『しゃーなしオマエで我慢してやるよ。プレステ持って俺の部屋集合な』
2人は渋々承諾した。
Aと悟の姿が見えなくなってから、硝子と勝利のハイタッチをする。
あの2人が仲良く桃鉄をやれるのかは知らないが、とにかく私の休日は守られた。それで十分だ。
仕切り直して、映画館でも行こう。
1988年12月2日———悟と、そして奇しくも悟と誕生日が同じであるAが生まれる一年とちょっと前に第1作目が発売された、大人気ゲームソフトである。
ルールは至って簡単で
双六状になったマップの上で目的地を目指して進んでいき、最終的に資産を多く持っていた者が勝ちというもの。
運要素が大きいというのは否めないが、決してそれだけというわけではなく、戦略的な要素も大きいので頭脳戦が楽しめる。
プレイヤーはまず、遊ぶ年数を決めなくてはならない。
年数は、1年から99年まで選ぶことができる。
1年に設定した場合、ゲームは12ターンで終わり、所要時間はおよそ25分程である。
つまり99年に設定すると1188ターン、所要時間はおよそ40時間。
もちろん途中でセーブすることはできるが、一気にやり切ろうとするならば二徹が必要となるハードなオプション。
Aと悟は今、このモードに挑もうとしている。
『途中で泣き言吐くなよ』
「そっちこそ、途中リタイアとか許さないから」
『COM”さくま”な』
2人の長きにわたる闘いが、今、幕を開ける——‼︎
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ヤハウェ(プロフ) - Wolf @ 元フェアリーさん» 禿同 (7月15日 16時) (レス) @page48 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
Wolf @ 元フェアリー(プロフ) - ちょっとそのバイト店員さんそこ変わって欲しい (7月15日 14時) (レス) @page48 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - あい(^_−)−☆さん» お前の心臓の支配権は…僕にある…‼️チェッックメイトォォ‼️ (7月15日 8時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - なゆさん» おっと、君は僕の使徒かにゃ??面白い!と思ったら大体僕だと思いますよ。面白いという概念を生み出しているのが僕なので(?)こちらこそあざ‼️ (7月15日 8時) (レス) @page47 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
あい(^_−)−☆(プロフ) - なんかすごく心がキュンとしたって言うかなんて言うんだろう深い.... すき..❤︎ (7月14日 23時) (レス) @page46 id: 86f9264a88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤハウェ | 作成日時:2023年7月7日 2時