第4話 99年モードで ページ9
呪術高専の夏休みは、遅めに始まって遅めに終わる。
呪術師の繁忙期は大抵初夏にやってきて、8月下旬から9月にかけて徐々に任務の数が落ち着いてくる感じなので
夏休みの時期は閑散期に合わせてあるのだ。
———8月13日、やっと私たちの夏休みが始まった。
授業がないのはラクで嬉しい。
任務に行くことはもちろんあるが、夏休みの期間は大体の人が人生を楽しんでいるので、何か災害などがない限り大きな任務が来ることは少ない。
呪術師でも意外と、夏休みは満喫できる。
今日も特に任務に行く必要はなさそうだし、どこかへ出かけるか。
今ちょうど気になる映画が放映されてるし、1人で映画館でも行こう。
夏休みにやりたいことをあれこれ考えて、1人でちょっとワクワクしていると、廊下で悟に会った。
『あ、傑』
私に用があったのか、悟は私の前で立ち止まった。
『ちょうど今から部屋行こうと思ってた』
「何か用?」
『桃鉄やらねぇ?99年モードで』
「嫌だけど」
あ、オブラートに包むのをすっかり忘れてしまった。
『は〜?いいじゃん夏休みなんだし。どうせ大した予定もないだろ』
「ある。それはもうたくさん」
『嘘つけ』
「悟、桃鉄の99年モードをやり切るまでの所要時間を知って誘ってるのか?」
『知らねぇけど。まあ、50時間くらい?』
「……40時間だけど」
『へぇ』
「……」
ちょうどいいところに向こうから硝子が現れたので、咄嗟に呼び止める。押し付けよう。
「何」
「硝子、悟の桃鉄に付き合ってあげてくれないかな?」
「え、嫌だけど」
「…だよね」
『は〜?ノリ悪〜。いいじゃんちょっとくらい』
「99年モードはちょっとじゃないだろ」
「アンタ99年やろうとしてんの?絶対途中で飽きるでしょ。てか1人でやればいいじゃん」
『桃鉄99年やり切ったって称号欲しいじゃん。1人だったら飽きるから誘ってんの』
私は絶対に嫌だ。やりたくない。
「3人で何してんの?」
どこからか現れたAが合流した。
Aにも押し付けたいところだが、さすがに断ってくるだろうからもうやめておこう。
「ちょっとした立ち話、かな」
「ふ〜ん…それはそうとさ、誰か一緒に桃鉄やんない?99年モードで」
「……」
「……」
『……』
「……え、何」
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ヤハウェ(プロフ) - Wolf @ 元フェアリーさん» 禿同 (7月15日 16時) (レス) @page48 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
Wolf @ 元フェアリー(プロフ) - ちょっとそのバイト店員さんそこ変わって欲しい (7月15日 14時) (レス) @page48 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - あい(^_−)−☆さん» お前の心臓の支配権は…僕にある…‼️チェッックメイトォォ‼️ (7月15日 8時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - なゆさん» おっと、君は僕の使徒かにゃ??面白い!と思ったら大体僕だと思いますよ。面白いという概念を生み出しているのが僕なので(?)こちらこそあざ‼️ (7月15日 8時) (レス) @page47 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
あい(^_−)−☆(プロフ) - なんかすごく心がキュンとしたって言うかなんて言うんだろう深い.... すき..❤︎ (7月14日 23時) (レス) @page46 id: 86f9264a88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤハウェ | 作成日時:2023年7月7日 2時