第19話 まさかの横から ページ41
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「夏油は何買ったの」
今日は、Aと悟の誕生日である。
私と夏油は2人にプレゼントを渡す前に、互いに用意した物を共有し合っていた。
「Aはルームフレグランスとカフェで使える券を1000円分。悟は何でもいいやと思ってテキトーに好きそうな菓子詰め合わせた。
硝子は?」
「私も似たようなもんだわ。Aは美容品セットで、五条はテキトーに菓子詰めたやつ」
「哀れ悟」
「だって私の誕生日の時もアイツ碌なもん寄越さなかったし。別にいいっしょ」
今日は夏油の部屋でパーティーを開催する予定。
私の誕生日の時もそうだった。
私たちはこういう時なぜか、夏油の部屋に集まりがちである。
「お誕生日おめでとう、A、悟」
「おめでとー」
2人は誕生日が同じであることが不満なのか、せっかく祝われているというのにテンションが低い。
「はいこれ、私たちからAに」
「わぁ…ありがとう」
Aは早速開封して、嬉しそうに笑って喜んでくれた。
「五条はこれね。どうぞ」
『何、この目に見えた差別。酷くない?』
「超真剣に選んだ菓子なんだから喜べよ」
『…どうも』
明らかなるプレゼント格差に不満そうな顔をする五条だが、別に不機嫌にはならなかった。
「Aと悟はあげ合わないの?」
夏油がケーキを切り分けながら尋ねる。
『今日は俺祝われる側だし。他人にプレゼントとかあげる気分じゃない』
「……同じく」
「あ、そう」
私たちはケーキを食べて、しばらく夏油の部屋で駄弁ったりゲームしたりして
日付けが変わった頃にそれぞれの部屋に戻った。
私の誕生日のときは、夏油に酒に付き合ってもらったからもっと遅くまで騒いだんだけど。
呪術高専の寮はホント緩い。
普通の高校に通っている人たちよりも、私たちはよっぽど自由で、ラクな高校生活を送っていると思う。
命張って任務に行かないといけないんだから、自由も何もと思われるかもしれないが
私たちにとって、呪霊も呪詛師も大した敵じゃない。
ただただ自由で、ラクで、楽しむ余裕ばかりがある
そんな学校生活。
呪術師というマイノリティを生きているのに、この日々はまるで普通の青春で
この日常がいかに壊れていくかなんて、この頃は考えもしなかった。
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ヤハウェ(プロフ) - Wolf @ 元フェアリーさん» 禿同 (7月15日 16時) (レス) @page48 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
Wolf @ 元フェアリー(プロフ) - ちょっとそのバイト店員さんそこ変わって欲しい (7月15日 14時) (レス) @page48 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - あい(^_−)−☆さん» お前の心臓の支配権は…僕にある…‼️チェッックメイトォォ‼️ (7月15日 8時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - なゆさん» おっと、君は僕の使徒かにゃ??面白い!と思ったら大体僕だと思いますよ。面白いという概念を生み出しているのが僕なので(?)こちらこそあざ‼️ (7月15日 8時) (レス) @page47 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
あい(^_−)−☆(プロフ) - なんかすごく心がキュンとしたって言うかなんて言うんだろう深い.... すき..❤︎ (7月14日 23時) (レス) @page46 id: 86f9264a88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤハウェ | 作成日時:2023年7月7日 2時