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第18話 青い眩しさの中を ページ39

*






Aは、辛い思いや痛い思いを、禪院家でたくさん経験してきて

でも、卒業したらまた、そこに戻らなきゃいけなくて


ずっと苦しんでいた。





その苦しみを、悟だけが知ってしまった。





Aが他人に見せる気など微塵もなかった、その深い傷も、涙も、弱さも、全部


悟はあの日見てしまったのだ。








悟は、禪院Aのことが好きではない。



一緒にいると腹が立つことが多いし、会うと喧嘩ばかりだし、まるで水と油みたいに分かり合えない。





でも、Aが辛そうにしているのを見ると


とことん優しくして、甘えさせて、慰めてやりたくなった。



Aが不安そうに伸ばす手を優しく握って、頭を撫でて、安心させてやりたくなった。




普段は強気で勝気で冷徹で、周りの助けなんて少しもいらないみたいな顔をして歩いているけど、そんなのはただの表面の模様に過ぎなくて

中にはプレパラートのカバーガラスの如き脆さが潜んでいるのだと知ってしまうと


そうしてやらずにはいられなかったのだ。








『絶対助けてやる』と悟が言うと、Aは安心したようにやわらかく微笑む。




悟がそう言ってやらなかったら、Aはきっと、もう一生こんな風には笑えない。




家のことも傷のことも、Aは傑や硝子には話そうとしなかった。




あの任務での出来事があって、悟だけがたまたまAのことを少し深く知ってしまったというだけ。








『…お前さ、俺のこと嫌いなんじゃないの?』




「…きらい。ぜんぶきらい」



 

その言い草に、またイラッとして


やっぱり自分も嫌いだ、と思ったけれど





「でも…さとる、やさしい。こわくない」





続いて出てきた言葉が、悟の心には深く刺さった。




現代最強術師である悟を、五条家の人たちは、その圧倒的な力がいつか自分に向けられるんじゃないかと心底恐れてきた。





でもAは、悟のことだけは怖がらなくて

悟は自分を傷つけたりしないという、そんな信頼を彼に寄せていた。





悟にとって、それは初めての経験だった。





生まれ持った力で人を虐げてやろうなんて、自分は微塵も思っちゃいないのだということを


初めて誰かに、信じてもらえた気がした。




それと同時に、自分を信じてくれるこの生き物が、もうこれ以上誰かに傷つけられることがないように

守ってやりたいと思ったのだった。

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設定タグ:五条悟 , 呪術廻戦 , さしす
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ヤハウェ(プロフ) - Wolf @ 元フェアリーさん» 禿同 (7月15日 16時) (レス) @page48 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
Wolf @ 元フェアリー(プロフ) - ちょっとそのバイト店員さんそこ変わって欲しい (7月15日 14時) (レス) @page48 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - あい(^_−)−☆さん» お前の心臓の支配権は…僕にある…‼️チェッックメイトォォ‼️ (7月15日 8時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - なゆさん» おっと、君は僕の使徒かにゃ??面白い!と思ったら大体僕だと思いますよ。面白いという概念を生み出しているのが僕なので(?)こちらこそあざ‼️ (7月15日 8時) (レス) @page47 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
あい(^_−)−☆(プロフ) - なんかすごく心がキュンとしたって言うかなんて言うんだろう深い.... すき..❤︎ (7月14日 23時) (レス) @page46 id: 86f9264a88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤハウェ | 作成日時:2023年7月7日 2時

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