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第17話 五条家 ページ37

*






———7億3000万





これは、2000万分の1の確率で引き当てられるサマージャンボ宝くじの当選金の額ではない。



当時まだ4歳であった五条悟の首にかけられていた、懸賞金の総額である。






小さき首になぜそれほどにも莫大な価値があったのかといえば皆さんご存知の通り

彼が六眼持ちであり、無下限呪術の使い手だからである。





呪術界を知るものならば、この二つの能力を抱き合わせた術師がどれほど強大な力を持つかについては簡単に想像がつく。



せめて五条悟が子供であるうちに、という魂胆で、多くの呪詛師が幼き五条悟の暗殺を試みた。





しかし、彼が殺されることはなかった。





五条悟は幼い頃から、その全てにおいて、他とは格が違っていた。





本人も、小さい頃からその自覚があった。





全てが見えている五条悟にとっては周りの術師など、目の前にある餌を取るのにわざわざ大きく遠回りをして取りに行くような、効率の悪い馬鹿も同然だった。









五条家は、加茂家や禪院家と比べるとかなり先進的で、自由な家柄である(もちろん一般家庭に比べればいささか格式張ってはいるが)。




悟も、それなりに自由に育てられた。



Aのように、いつも誰かに虐げられていたようなこともなければ、何かに怯えたこともない。


五条家は間違いなく“悟の”家だったし、“悟のための”家ですらあった。





しかし、家の中で感じていた孤独の重さは、Aとそう変わらなかった。





使用人はもちろん、教育係や親戚、そして両親でさえも、自分と対等に向き合ってくれることがなかった。



全てにおいて出来が良かった悟は、大人が介入する間もないような隙のない子供で、大人よりも強くて、大人よりも多くのものが見えていて


「無垢で未熟」という理想の子供像をちっともかすっていなかったから、五条家の大人は皆、心の奥で悟を恐れていた。





奥底にしまったその恐怖を、誰も表に出しはしなかったが

悟はその全てに気づいていた。





五条悟はあまり多くを気にしすぎない人間なので表面上では分かりにくいが

本当は身の回りの人間の感情の起伏に、非常に敏感な人間である。









悟自身は、生まれ持った力で他人を脅かしてやろうなどと思ったことは一度もなかったが


周りの人間はみな、まるで悟がいざとなればそうすることを厭わない奴であるとでもいうように


透明の圧力で、悟を遠ざけたのだった。

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設定タグ:五条悟 , 呪術廻戦 , さしす
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ヤハウェ(プロフ) - Wolf @ 元フェアリーさん» 禿同 (7月15日 16時) (レス) @page48 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
Wolf @ 元フェアリー(プロフ) - ちょっとそのバイト店員さんそこ変わって欲しい (7月15日 14時) (レス) @page48 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - あい(^_−)−☆さん» お前の心臓の支配権は…僕にある…‼️チェッックメイトォォ‼️ (7月15日 8時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - なゆさん» おっと、君は僕の使徒かにゃ??面白い!と思ったら大体僕だと思いますよ。面白いという概念を生み出しているのが僕なので(?)こちらこそあざ‼️ (7月15日 8時) (レス) @page47 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
あい(^_−)−☆(プロフ) - なんかすごく心がキュンとしたって言うかなんて言うんだろう深い.... すき..❤︎ (7月14日 23時) (レス) @page46 id: 86f9264a88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤハウェ | 作成日時:2023年7月7日 2時

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