第13話 ぜんぶきらい ページ28
「ね、A。強いか弱いかだけでも確かめとこ?」
部屋に戻った4人。
今宵も飲んだくれる気満々の硝子と傑がビニールから酒を取り出していく中、絶対に飲まないと決めた下戸五条と興味のないAはもう布団に向かおうとしてしていた…
のだが、Aは硝子に足止めを食らっている。
「嫌だよ…美味しくなさそうだもん」
「そういう問題じゃなくて、この先付き合いで飲まざるを得ない場面ってのがあんのよ。
自分がどのくらいいけるかくらい知っとかないと。よく知らない人がいる席で醜態晒したくないでしょ?」
「そりゃそうだけど…」
Aは結局折れて、渋々酒を飲んでみることにした。
ちょぴっと缶を傾けて、ごくりと一口。
「…あ、美味しいかも」
「お、すごいじゃん」
「意外と強いのかもね」
『絶対味覚狂ってるだろ』
悟は、4人の中で自分だけが酒を飲めないのが若干不満そうである。
意外とイケる〜とAはすぐに一缶を飲み干した。
酒の味は口に合うようだった。
…が、
「やっぱり弱かったね」
「でもいいわ。五条と違って酔い方が可愛い」
2缶で完全に潰れてしまった。
本人は飲みたがっているし、酒は好きなようだが
もうすっかりふにゃ〜んと力が抜け、床に寝っ転がってよく分からないことをゴニョゴニョ呟いている。
「でもこれ、飲み会で絶対飲ませちゃダメだね。持ち帰られるわ。やっぱ今日飲ませといて正解ね」
硝子が深刻そうに言って、傑は頷いた。
「しょうこ〜、まだのみた〜い〜」
「もうお酒なくなっちゃった〜。ごめんねー?」
硝子は、Aにどんどん酒を与えてやりたい気持ちを堪えて嘘をつく。
「Aはもうおねんねしよっか〜」
赤ちゃんをあやすようにそう言うと、Aはちょこっと不満そうな顔でう〜んと頷いた。
「夏油、布団まで運んであげて」
傑はよっこいせと立ち上がって、Aを抱きかかえようと手を伸ばす。
Aはその手をブンっと振り払った。
「すぐる、イヤだ…」
「えっ」
突然の拒絶にフリーズする傑。
「A〜、もうおねんねしたいよね?傑が抱っこでお布団まで連れてってくれるって」
「イヤだ…!すぐる、イヤだ…」
「え、私…嫌われてる…?」
「ドンマイ」
傑、撃沈。
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ヤハウェ(プロフ) - Wolf @ 元フェアリーさん» 禿同 (7月15日 16時) (レス) @page48 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
Wolf @ 元フェアリー(プロフ) - ちょっとそのバイト店員さんそこ変わって欲しい (7月15日 14時) (レス) @page48 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - あい(^_−)−☆さん» お前の心臓の支配権は…僕にある…‼️チェッックメイトォォ‼️ (7月15日 8時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - なゆさん» おっと、君は僕の使徒かにゃ??面白い!と思ったら大体僕だと思いますよ。面白いという概念を生み出しているのが僕なので(?)こちらこそあざ‼️ (7月15日 8時) (レス) @page47 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
あい(^_−)−☆(プロフ) - なんかすごく心がキュンとしたって言うかなんて言うんだろう深い.... すき..❤︎ (7月14日 23時) (レス) @page46 id: 86f9264a88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤハウェ | 作成日時:2023年7月7日 2時