第１２話 お前といると疲れるよ ページ26
しばらく４人で語らった後、傑と硝子は今日の分の酒を買いに行くと言って一旦旅館を出た。
Aと悟は酒を飲む気がないのに買い物に付き合っても仕方がないと思い、そのまま庭のベンチに残る。
２人きりになると、急にその場は静かになった。
ゲームなどがあればまだしも、嫌い合っている２人には共通の話題などありもしない。
話すことがないから黙っていた。
しかし、気まずいわけでもなかった。
Aはぼーっと星空を見つめて、悟はテーブルに突っ伏して、考え事をしている。
星空はどれだけ見ても飽きないなぁ〜とAは感傷に浸った。
最初に目に入るのは一際輝く一等星なのだけれど、その周りに気を配れば小さく輝く星々が無数に浮かび上がってきて
結局、この空のどこにも、星のない場所なんてないということに気づく。
何だか、ポエミーなことを言いたくなる景色だった。
悟はそういうの嫌いそうだけど、ちょっと何か言ってみようという気が、Aの中に起こった。
「…悟、」
名前を呼ばれて悟は顔を上げると、星空を眺めるAの横顔を見た。
「私たちが見てる星って、全部過去の星の姿なんだって」
Aがそう言うと、悟は星空を見上げる。
そして、ふ〜ん…と興味なさげな返事をして、星空から目を離す。
やっぱ言うんじゃなかった、とAは思った。
『あれが全部過去の姿だったらどうなんの？』
悟はサングラスを取って、不満そうにしているAを見て言った。
「……別に何も。言ってみただけ」
『あっそ』
やっぱりこの人とはムリだ、と再確認するだけで会話が終わってしまった。
悟には、詩的な感受性があんまりない。
現実主義者で、合理主義者。
若干ロマンチスト気質なAとは、気が合わない。
そういう観点で性格を分類すると、傑とA、悟と硝子、という感じになりそうだ。
Aには、悟がよく分からなかった。
よく分からないから、嫌っている。
でも、２人とも御三家育ちで境遇は似ているのだから
何か分かり合えるところがあってもおかしくないのに、とちょっと思ってもいた。
「…悟、」
Aはもう一度だけ、話しかけた。
星明かり頼りの夜に、初めて裸眼の悟と目が合う。
その不思議な眼は、Aの上に広がっている星空そのもののようだった。
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ヤハウェ(プロフ) - Wolf @ 元フェアリーさん» 禿同 (7月15日 16時) (
レス) @page48 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
Wolf @ 元フェアリー(プロフ) - ちょっとそのバイト店員さんそこ変わって欲しい (7月15日 14時) (レス) @page48 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - あい(^_−)−☆さん» お前の心臓の支配権は…僕にある…‼️チェッックメイトォォ‼️ (7月15日 8時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - なゆさん» おっと、君は僕の使徒かにゃ？？面白い！と思ったら大体僕だと思いますよ。面白いという概念を生み出しているのが僕なので（？）こちらこそあざ‼️ (7月15日 8時) (レス) @page47 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
あい(^_−)−☆(プロフ) - なんかすごく心がキュンとしたって言うかなんて言うんだろう深い.... すき..❤︎ (7月14日 23時) (レス) @page46 id: 86f9264a88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤハウェ
| 作成日時：2023年7月7日 2時
