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第11話 ビビってんの? ページ24

夕食をとった後、外に座れるところがあったので行ってみようと傑が言うので、一行は外に出た。



小さな旅館だが周りには立派な庭があり、そこに簡易的なベンチとテーブルがある。








今夜は心地のいい夜だった。




昼間のあの灼熱の太陽が去った今、少しひんやりとした風が吹いていて

肌に溶け込むような気温が、何とも言えない快適さを生んでいる。






空の星も綺麗だ。



月のまだ出ていない、空気の澄んだ田舎の夜空は

東京では決して見ることができない特別な夜空だった。





虫の音だけが響くこの場所には、もう今日という1日は終わってしまうのだという哀愁が漂う。



ずっとこの場所、この時間に留まっていたいと思えるような、そんな夜だというのに、どうせ明日は来る。



緩やかな風に乗って運ばれる、この夏特有の湿気った緑の香りは

きっと彼らの中に「青春の香り」として刻まれることだろう。






「明日で旅行終わりかぁ」



「楽しかったね。また来年も楽しそうなところ探して旅行しよう」





ゲームをやり足りない子供のように呟いたAに、傑は優しく語りかけた。





「来年もみんないるといいけどね」





硝子が少し物騒なことを言って、3人は苦笑いをする。





「そういえば、みんなは将来どうするつもりなんだい」





傑は突然、思いついたようにそう問いかけた。





「私はまあ、医者かな。そういう方面でしか仕事もらえないだろうし」





現時点で日本唯一の反転術式使いである硝子は、先生にも高専医師になることを薦められている。


本人も、早いうちから意思を固めていた。





「五条は卒業したら当主になるんでしょ?実家戻んの?」



『いや、普通に高専起点で呪術師やると思う。あの家戻んのめんどくせぇし。傑は?』



「私はまだ決めたわけじゃないけど…まあ、高専で教える立場になるのがいいかなと思ってるよ」





傑は、少し打ち明けるような口調でそう漏らす。





「いいね、夏油先生」





硝子はそう言って笑った。





「傑の言うことってなんか、正しいって感じがするもんね。傑が言ってるならまぁ…ってなっちゃう感じ。だからすぐ生徒手懐けられそう」



『「いい術師になるにはこの壺が必要だ」とか言って生徒に壺売りつけてそう』



「君たちには私がどう見えてるんだい」







かくして会話は続く。

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設定タグ:五条悟 , 呪術廻戦 , さしす
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ヤハウェ(プロフ) - Wolf @ 元フェアリーさん» 禿同 (7月15日 16時) (レス) @page48 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
Wolf @ 元フェアリー(プロフ) - ちょっとそのバイト店員さんそこ変わって欲しい (7月15日 14時) (レス) @page48 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - あい(^_−)−☆さん» お前の心臓の支配権は…僕にある…‼️チェッックメイトォォ‼️ (7月15日 8時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - なゆさん» おっと、君は僕の使徒かにゃ??面白い!と思ったら大体僕だと思いますよ。面白いという概念を生み出しているのが僕なので(?)こちらこそあざ‼️ (7月15日 8時) (レス) @page47 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
あい(^_−)−☆(プロフ) - なんかすごく心がキュンとしたって言うかなんて言うんだろう深い.... すき..❤︎ (7月14日 23時) (レス) @page46 id: 86f9264a88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤハウェ | 作成日時:2023年7月7日 2時

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