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12月某日
＿＿＿奇妙な男と同居を始めてから、今日で３週間が経った。
彼は、身元がよく分からない。
年齢を聞くと、生まれたのは４００年以上前だとか意味不明なことをほざく。
身体の仕組みも、よく分からない。
何故か身体から電気が発生するし、怪我をしてもすぐに傷が閉じる。
この人が一体何者なのかも、何で私がこの人と同居しているのかも
何もかも、よく分からない。
『おい、あばずれ女』
「何、あたおか男」
『服脱ぎ散らかすなっつったろ。はしたねぇな』
「は？住まわせてもらってる側が何言ってんのよ」
本来静かであるはずの一人暮らし用アパートの一室で、賑やかな声が飛び交う。
正体不明の男と、その男を家に住まわせている頭のおかしいOLが、喧嘩をするやかましい声が。
『まあそれはいいとして。ラーメン食い行かね？』
突然話題を転換させるあたおか男。コイツはなかなかにいい加減な奴だ。
「…べつにいいけど。アンタってほんとにラーメン好きだね」
『だって美味いじゃん』
・
そんなわけで、私たちは冬の夜に家の近くにあるラーメン屋に出向いた。
今日が土曜日であることもあって、店内はかなり混んでいる。
順番待ち名簿を見る限り、私たちが店の中に入れるのはまだまだ先になりそうだ。
恐ろしく寒いけど、外の待合用の椅子に腰掛けて順番を待つ。
すると私の肩に、何かがパサッとかけられた。
彼が着ていたジャケットだった。
『着とけ』
「いやいいよ。そっちが寒くなるじゃん」
『俺はお前と違ってヤワじゃねぇからこのくらい寒くねぇんだよ』
彼が強がっているようだったら無理にでも返却したが、ほんとに寒くなさそうにしているのでありがたくいただくことにする。
「…ありがと」
さっきまで彼が着ていたものだからか、すごくあったかかった。
・
店「大変お待たせ致しました、二名様でお待ちのカシモ様〜！」
「やっときた」
２０分くらい待ってやっと、私たちは暖かい店の中に入ることができた。
旦那でもない、恋人ですらない男と一緒に案内されて、同じテーブルにつく。
「さぁてどれにしようかな〜。ここのラーメン量多いんだよね」
『食べきれなかったら俺が食ってやるよ』
「どうも」
私の向かい側でラーメンを選んでいるこの男は
平凡を極めた私の人生における唯一の…異端だ。
Preface ページ1
.
＿＿＿奇妙な男と同居を始めてから、今日で３週間が経った。
彼は、身元がよく分からない。
年齢を聞くと、生まれたのは４００年以上前だとか意味不明なことをほざく。
身体の仕組みも、よく分からない。
何故か身体から電気が発生するし、怪我をしてもすぐに傷が閉じる。
この人が一体何者なのかも、何で私がこの人と同居しているのかも
何もかも、よく分からない。
『おい、あばずれ女』
「何、あたおか男」
『服脱ぎ散らかすなっつったろ。はしたねぇな』
「は？住まわせてもらってる側が何言ってんのよ」
本来静かであるはずの一人暮らし用アパートの一室で、賑やかな声が飛び交う。
正体不明の男と、その男を家に住まわせている頭のおかしいOLが、喧嘩をするやかましい声が。
『まあそれはいいとして。ラーメン食い行かね？』
突然話題を転換させるあたおか男。コイツはなかなかにいい加減な奴だ。
「…べつにいいけど。アンタってほんとにラーメン好きだね」
『だって美味いじゃん』
・
そんなわけで、私たちは冬の夜に家の近くにあるラーメン屋に出向いた。
今日が土曜日であることもあって、店内はかなり混んでいる。
順番待ち名簿を見る限り、私たちが店の中に入れるのはまだまだ先になりそうだ。
恐ろしく寒いけど、外の待合用の椅子に腰掛けて順番を待つ。
すると私の肩に、何かがパサッとかけられた。
彼が着ていたジャケットだった。
『着とけ』
「いやいいよ。そっちが寒くなるじゃん」
『俺はお前と違ってヤワじゃねぇからこのくらい寒くねぇんだよ』
彼が強がっているようだったら無理にでも返却したが、ほんとに寒くなさそうにしているのでありがたくいただくことにする。
「…ありがと」
さっきまで彼が着ていたものだからか、すごくあったかかった。
・
店「大変お待たせ致しました、二名様でお待ちのカシモ様〜！」
「やっときた」
２０分くらい待ってやっと、私たちは暖かい店の中に入ることができた。
旦那でもない、恋人ですらない男と一緒に案内されて、同じテーブルにつく。
「さぁてどれにしようかな〜。ここのラーメン量多いんだよね」
『食べきれなかったら俺が食ってやるよ』
「どうも」
私の向かい側でラーメンを選んでいるこの男は
平凡を極めた私の人生における唯一の…異端だ。
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ヤハウェ(プロフ) - 由良の門をさん» そういう先輩っていうのは社会にごろごろいますから気をつけていきましょうね‼️鹿紫雲たんみたいなのが一家に1人いれば、日本社会はもっとマシになるはずであります…応援あざむぁす！ (2月19日 14時) (
レス) id: 3429f701c5 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - うみさん» ありがとうございむぁす‼️いい話ですよね😍オイラも好きですよ✨ (2月19日 14時) (レス) id: 3429f701c5 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 企画を丸投げする先輩共腹立つと同時に、鹿紫雲の優しさが主人公にしみますね・・・！更新楽しみです！頑張ってください！！！！ (1月15日 23時) (レス) @page17 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 作者さまの小説の中でこの小説が1番好きです！鹿紫雲目線と主人公ちゃん目線の書き方、文章の表現が素晴らしいです…好き！ (11月29日 21時) (レス) @page23 id: d6837fdd33 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - あわさん» そう、鹿紫雲ちゃんは最高なのですよ！！沼れ！沼れ！いや、もう沼っているはずだお。この小説を読んだことがその証拠さ… (2023年4月13日 0時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヤハウェ
| 作成日時：2022年12月3日 0時
