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甚爾さんの腕の中でゆっくり深呼吸をするAさん。
Aさんが弱いままだったら、甚爾さんが自分のことを責めるようになってしまう。
Aさんは甚爾さんに支えてもらっていた身体を起こすと、甚爾さんの肩にコトンと額を預けました。
「私、甚爾さんのことが好き…
多分、甚爾さんが思ってるよりもずっと…大好きなの」
『……』
「会社のこととか、色々…嫌なこといっぱいあったけど、甚爾さんが家で待っててくれてるって思ったら、なんでもよくなったし…
誰かが一緒に寝てくれるのも、ワガママ聞いてもらえるのも、全部…甚爾さんが初めて」
ポロポロ溢れる、Aさんの本音。
重い女と思われたくなくて、普段はそんなに言わないんだけど。
「さっきのなんて…全然どうってことない。甚爾さんと一緒にいられるんだったら、私、何でも耐えられる」
さっきのなんて、死ぬほど苦しかったでしょうに。
『…あんま強がんなよ』
「…強がってない」
でも、このAさんの強かな姿勢には、甚爾さんも救われたでしょう。
「でも…甚爾さんがいなくなったら多分ショックで死ぬ」
あれ、脆い。
「だからどこにも行かないで」
甚爾さんはAさんの身体をギュッと抱きしめました。
甚爾さんだって、Aさんを失ったらもう何も残らない。
Aさんを守ったせいで他のことが全部ダメになっても、他の全てを失っても
Aさんを守れたらそれでいい。
「甚爾さん、よく頑張ったね。こんな家で、ずっと。
私、甚爾さんのことよく知らなかったから、自分ばっかり酷い目に遭ってるって思ってたけど
甚爾さんも、いっぱい辛いことあったんだね。
ずっと知らなくてごめんね」
生まれた瞬間から落ちこぼれで
何かを頑張ろうがいい子にしてようが
生きてるだけで嫌われ者
まるで最初から存在すらしていないかのような、透明人間
お父さんにいつも呪霊部屋に放り込まれ
お母さんには産んだことを後悔された。
「これからは私がいっぱい、甚爾さんのこと助けるから。
甚爾さんが生まれてきてよかったなって思えるくらい…毎日、大好きだって言ってあげるから」
そうだ、Aさんは出会ったばかりの頃からずっと
甚爾さんに真っ直ぐな愛を与え続けてる。
『もう充分言われてる』
甚爾さんは少しだけ、幸せそうに笑いました。
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ヤハウェ(プロフ) - アユさん» ワイも楽しみッ!ウッキッキッ‼️ (8月4日 14時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - ただの本名;只野です。さん» 文字打ててるから大丈夫やで‼️お前の心臓止まったら僕が天界から蘇生したるから安心しぃや‼️ (8月4日 14時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - 凛さん» 待っておれ‼️この先どうなるんやろねウヒッ (8月4日 14時) (レス) @page47 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
アユ - キャー♪後編がワックワクです! (8月3日 22時) (レス) @page47 id: 9c9f393af0 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 後編まってます !!!! (8月3日 2時) (レス) id: b9832e8e21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤハウェ | 作成日時:2022年3月5日 10時