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あっという間に眠ってしまったAさん。



一方で甚爾さんは夜中になっても眠れずにいました。




Aさんの寝顔を見つめながら、色々考え事をしているようです。



何だかこれから、自分の身に、そしてAさんの身に、何か良からぬことが起こるような気がしてならない。

というか、この家に来ている時点で絶対にいい事が起こることはありません。





何かあったとき、Aさんを守れるんだろうか。





愛は人を強くすると言うけれど


甚爾さんは何故か、Aさんを愛してから自分が随分と弱くなったような気がするのでした。



自分の外に、傷付けられたくない人がいて

その人は、自分に傷ついてほしくないと思っていて

なら自分のことも守らないといけないわけで



今まで誰に傷つけられても何とも思わなかった、いつ投げ捨ててもよかったものたちが

そうでないものに変わっていく…



そうすると、自分が道を間違えていないか、いつも不安になる。



鋼の筋肉も、それを動かす心がビクビクしていては意味がない。





考えていることがあまりにも自分らしくなくて、甚爾さんはため息をつきました。



でも、今自分の腕の中でぐーすか眠っているAさんの顔を見ていると

何にも解決していないのになぜか全部解決してしまったような気分になるのです。





動機とか意義とか利益とか、何だっていい。



この生き物が、傷つけられ、苦しめられることがなければそれで。





頬から首筋、鎖骨までをそっと撫でると、Aさんがムクリと動いて目を覚ましました。




「……甚爾さん…まだ起きてたの…?」




ふわぁと欠伸をしながら言うAさん。




『お前がすぐ寝すぎなんだよ』


「ん……ちょっと疲れてたから…」




長距離移動は苦手なAさん。




『起こして悪かったな』




Aさんの髪を撫でながら言う甚爾さん。




「ううん、ホントは……起きて色々話したかった」


『話?』


「…うん。甚爾さん、こっちに来てからずっとシュンとしてるから」




気持ちが顔に出てしまっていたそうな。




「ここに来るの、嫌だったんでしょ?」




そういえば直哉から話を聞いたと言っていたから、もう色んなことを知っているのかもしれないなと甚爾さんは思いました。

自分がこの家でどんな風に扱われていたのかも。






Aさんは慰めるように、甚爾さんの後ろ髪を優しく撫でました。

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ヤハウェ(プロフ) - アユさん» ワイも楽しみッ!ウッキッキッ‼️ (8月4日 14時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - ただの本名;只野です。さん» 文字打ててるから大丈夫やで‼️お前の心臓止まったら僕が天界から蘇生したるから安心しぃや‼️ (8月4日 14時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - 凛さん» 待っておれ‼️この先どうなるんやろねウヒッ (8月4日 14時) (レス) @page47 id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
アユ - キャー♪後編がワックワクです! (8月3日 22時) (レス) @page47 id: 9c9f393af0 (このIDを非表示/違反報告)
- 後編まってます !!!! (8月3日 2時) (レス) id: b9832e8e21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤハウェ | 作成日時:2022年3月5日 10時

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