プロのヒモが居候先を完全に間違えた話〈中編〉【伏黒甚爾】 (ページ28)

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「直哉くん、甚爾さんのこと大好きなんだね」

『知らねぇ』

「すごい憧れてるみたいだったよ。でもちょっと思想がひん曲がりすぎてる…」

『禪院家だからな』

甚爾さんから見れば直哉くんも、彼の言うところの”雑魚”の一員というわけ。哀れ哀れ…

「仲が良かったわけじゃないの？」

『いや、特には。付き纏われてた記憶はあるってくらいで』

さっきまで直哉くんが座っていたところに腰掛けて甚爾さんは言いました。

「(なーんだ、あんなにマウント取ってきといて甚爾さんには全然認識されてないんじゃん？これは勝ちだな…)」

『何笑ってんだお前』

「へ？」

ニヤけるのはやめましょう。

「いや、何でもない。ﾌﾌｯ」

だからやめろって！気味悪がられてるよ！！

「あ…でも、」

『？』

「私…ずっと知らなかった。甚爾さんがこんな呪術師？の名家育ちだってこともそうだし、ここの家にとってどういう存在なのかとかも…」

『直哉に聞いたのか』

「うん。色々教えてくれた」

家にまで連れてこられたんです。どうせいつか上の者からも説明があるでしょう。

「色々聞いたけど…やっぱり、甚爾さんは落ちこぼれじゃないよ。だって…」

『……』

「この家の道徳基準とち狂ってるもん…」

…はにゃ

「いや、直哉くんも禪院家カスとか言ってたけどさ、あの子も大分ヤバいからね…？？

ホントにぶっ倒してやろうかと思う発言色々あったから…

一般社会育ちの私からしたらこの家の価値観は完全におかしい！だから気にしないでオッケー」

そうね。一般社会からみれば禪院家の考え方は非常に古めかしい。

甚爾さんも、家を出てからそのことはよく分かった。

でもやっぱり、長い期間をそんな狂った家で過ごしていたから、なかなか甚爾さんもその価値観から抜け出せずにいたのです。

だから、自分なんて落ちこぼれは大切にする必要なんかないと、そう認めることでラクになろうとしていた。

「私もずっと自分が悪いんだって思ってたけど…甚爾さんがそうじゃないって言ってくれてすごく助けられたから。

もし必要だったら、細かすぎて伝わらない禪院甚爾の魅力選手権とか定期開催してあげる！」

甚爾さんはちょっとだけ笑いました。

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にしても名案だ。開催しよう。

細かすぎて伝わらない禪院甚爾の魅力選手権

1. 割り箸の割り方

何かあったら教えてね。

伝わったら負けだぞ(^_－)－☆