プロのヒモが居候先を完全に間違えた話〈中編〉【伏黒甚爾】 (ページ26)

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直「姉ちゃんはええんや別に！

非術師なんか呪力も操れん呪霊生むだけの存在やけど、姉ちゃんは呪霊生まんし、呪術師からしたらむちゃくちゃ優等生なんやで？？」

全人類をディスって推しの恋人を持ち上げた直哉氏。

「なんかよく分かんないけどありがと」

直「(にしてもAちゃんは何で呪力持ってへんのやろ？？甚爾君みたいに耐性もあるんかな…)」

色々気になる直哉くん。

直「術式重視のジジイらからしたら甚爾君なんか論外の存在や。術式どころか呪力も持ってへんのやからな。

でも甚爾君は多分、その気になったらこの家の人間殲滅できるくらい強い。この家の人間も、口には出さんけどみんな気づいとるはず」

　
自分が同居している人間が大分スゲェ奴だということに気づき始めるAさん。

「甚爾さんは、その…呪術？に対して肉体だけで応戦できるってこと？」

直「呪霊とかは呪力やないと祓えんから…肉体だけでも強いやろうけどまあ限界はあるかもしれへんな。でも、甚爾君に呪具持たせたら絶対誰も勝てへん」

「(また新しい単語…)」

直「多分、甚爾君はむちゃヤバい呪具を何個か持っとる」

「何で分かるの？」

今まで知らなかった世界についてのことでまだまだちんぷんかんぷんですが、意外と直哉くんとの話が面白くていつのまにかAさんは机に身を乗り出して熱心に話を聞いていました。

直「甚爾君がこの家出てってからの５年間、甚爾君くんがやったことについては全部上に報告が入っとった。

術師が殺された事件の現場を調べて、人の呪力の残穢は全くないけど呪具の残穢だけがあるってなった場合、それは甚爾君がやったって事で断定されんねん。

呪力のある奴が呪具使って何かしたんやったらぜったいそいつの残穢が残るはずやからな」

「なるほど…そういう案件がいくつかあったから、甚爾さんは呪具を持ってるということになると…。

でも武器なんてうちに置いてなかったけどな…」

ワハハと笑う直哉くん。

直「呪具はな、そんなてきとうに保管してええモンとちゃうで？フッツーの家に特級呪具立てかけてあったら笑い止まらんわ(笑)」

何か腹立ってくるAさん。

「じゃあどこに隠してるって！？」
　

直「さぁ〜分からへんけど。甚爾君のことやから何か良い方法知っとるんやろ。

俺が思うに、甚爾君が引き戻された理由の一つはこれやな。甚爾君から呪具を回収して脅威をなくすこと」