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出た途端に起きた爆発音で気が付けば驚きと恐怖で地にへたり込んでいた。―――ただ武器の補充をしていただけ？また襲撃が来た？嫌だ、こんなの、どうして…。爆発音と共に炎がどこからか上がり始め、それはすぐに広がった。そしてこの時俺はなぜか教会に戻る選択はせず、トントンさんが無事かを考えていた。約束通り来ないまま教会にいるのは嫌だ。なぜか、そんなことを考えた。
炎の中ふらりと歩き回り、どこ、どこ、とさ迷った。―――このときに、敵兵、今のブール国の兵士と出会ってしまう。
「…………………あ、」
「なんだもうガキしかいねえのか？爆弾の無駄だったか。」
「…お、おれだけ」
「は？」
「何かこれからするつもりなら、お、おれだけどうにかしてください…ほんとに、やめてください…」
あまりにも怖気付く俺に兵士は笑い始めた。彼らも人間であって、これは上司からの命令で嫌々やっていたことは、今になって分かることであった。俺の言葉を良しとした兵士は、
「―――じゃあお前、俺らとこっちにこい。こいつしか居なかったと突き出すのが必要だからな。」
「…え、」
「他の奴ら探して殺されるよりマシだろ？お前が望む通りにするだけだ。」
…俺は承諾した。グルッペンさん達が生きてる、ましてやオスマンさん、トントンさんもきっと…。彼らがいるならやり直せるはずだ。そう考えた俺は兵士の手を取り、そして数歩歩いたところでふと振り返り―――
―――トントンさんと、目が合ったのだ。
彼の歪んだ形容しがたい表情など、誰が忘れられるだろう。この事情はまだ彼に弁解できていない。教会で保護してもらっていたオスマンさんにさよならも言えていない。…形だけ見れば立派な裏切り者なのは確かであった。でも、幼かったあの頃は、それが最善だと思った。
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「……本当はあの時、トントンさんに、オスマンさんの在り処は教会だと叫んだつもりでした。でも五月蝿い火の音に掻き消されて、きっと彼には何も…」
「…そっか」
「こちらに来て色々言いました。レーベン村はそのままにして欲しいとか。まあ、非力な私の力など、通るわけがなかったけれど…」
「…」
「Aに覚えてもらえていたとは思ってもいなかったから吃驚しました。でも俺が何もせずに隠れていれば…Aはこちらに来る必要も、」
「エミさん」
「…はい」
「あんたは偉い。よお頑張った。」
この深い夜に、その子供のような喚き声はあまりにも悲しかった。
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作者名：HAL | 作成日時：2017年9月22日 20時
