暗黒と甘美のエターナル・パラドックス ページ6
結局、4人は保健室へ。
「怪我したシゲは分かるんだけど、なんで小山までここで厄介になってるわけ?」
「俺のシゲに触って興奮したな!もう!」
あれは不可抗力なんだよ!
突然デレるシゲ、イコール、死角から飛び出してきた大型トラックとの衝突。その例えが正しいはず。
そのトラックに顔面衝突を起こした俺は物の見事に鼻血を噴出。複雑骨折とかではなく、鼻血で済んだのは本当に幸いだった。
こんなの、知られても手越増田くらいが限界だ。周りになんか知られてみろ、死んじゃうぞ俺。
「小山、シゲに触って興奮して鼻血出したんだ…」
「そんなしみじみと言わないでホント!俺だって自分で気持ち悪いって思ってるよ!」
「俺のシゲに気安く触んないでよね!」
「手越も 俺の俺のってうるさい」
ここまで連れてきてくれたまっすーと、面白そうだからと着いてきた手越がいるだけで賑やかになる。
保健室が無人で良かった。本当なら追い出されているところだ。
「じゃあシゲは傷口消毒しよ」
「ひ、必要ない。人間界の薬など合わぬわ!」
「…消毒染みるから怖いんでしょ」
「こ、怖くない!バカにすんな!」
まっすーが消毒液を含んだ綿をピンセットで掴むと1歩下がるシゲ。こりゃ確実にビビってますな。
そこを嬉しそうな顔をして押さえつけるのが手越。笑い顔が下品。
「うぇへへへ。シゲちゃんだめだよ〜逃げちゃ」
「大人しくしててねシゲ」
「やー!やだやだやだ!慶ちゃん助けて!けーちゃあん!」
超絶魔力のヴァンパイアは何処へやら。
泣き喚けと言っていたシゲが今度は自分が大騒ぎしているし、嫌がる人間を押さえつけて興奮している手越はいるし、もうなんのこっちゃだよ。
「…はい終わったよ。高校生にもなってたかが消毒でごねるなんて」
「ご、ゴネてない!人間界の薬は吸血鬼にとっては毒なんだ!虫も殺せぬ様な顔をして貴久よ、貴様は悪魔の手先か!」
「悪魔に悪魔って言われてるまっすー」
けらけらと手越が笑う。
悪魔にお墨付きを貰ったまっすーは柔らかそうな頬を膨らませる。とても魔界の住人とは程遠い可愛らしい顔。
「やめてよ…。悪魔じゃないもん」
「まっすーはスイーツの国の王子様って感じ」
「お…。今度はスイーツ男子からのお墨付きが」
マシュマロのベッドで寝て、カスタードクリームのお風呂に入って、お仕事のお給料はイチゴですみたいな。
「フン。そんな国存在する訳が無いだろう。夢物語だ!」
「それあんたが言う?」
ゴメン、今日1笑ったわ。
運命の賽子遊びに戯れし狂いの子羊よ→←慈愛のアルティメット=デッドエンド
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chaimai#(プロフ) - イチゴタルトさん» ありがとうございます!1番!?うわー光栄です!番外編はまたネタが集まり次第...ですかね!笑 (2018年5月31日 10時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴタルト - すっごくおもしろかったです! これまでで見た小説の中で一番すきかも(笑) 番外編書いてくれると嬉しいです! (2018年5月29日 19時) (レス) id: 74a386a12e (このIDを非表示/違反報告)
chaimai#(プロフ) - 慶也さん» 最後まで読んで頂いてありがとうございます!終わりを悲しんでもらえる話がかけて良かったです…。(ノ.・)<紳士淑女の皆々様…また会おうぞ…。 (2018年2月8日 20時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
慶也 - 完結おめでとうございます!毎日楽しみにしていた作品で、おわるのがかなしいです…。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 70d225106c (このIDを非表示/違反報告)
chaimai#(プロフ) - しげこさん» 最後まで読んで頂き、更にあ名残惜しく感じて頂きありがとうございます。(ノ.・)暗黒の魔界へ誘り奉る…。今宵また会おうぞ人間どもよ。……との事です。 (2018年2月8日 1時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
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