天地に芽吹く慈愛とアイリス ページ27
「…」
ずっと黙りこくってるシゲ。
照れてるの？それとも呆れてる？分かりづらい。
「ずっと一緒にいるから、シゲのちょっとした変化も可愛いなって思う。その分かりやすい中ニ病設定もね」
「いや、こ…これは…」
突然慌て出す彼も可愛い。
それからシゲはヴァンパイアではなく素のシゲで、少し恥ずかしそうに話してくれた。
「…ずっと一緒にいるから…不安になることもある。いつ別れが来るか分からない。少し前までは…ずっとそんなことを考えて…怯えてばかりいた気がする」
初めて聞いた告白に俺は何も言えなくなった。更に彼の話を聞きたくて、黙ってずっと聴いていた。
「環境も変わって…歳も重ねて大人になって…慶ちゃんもいつか恋人をつくって、俺なんか相手にされなくなるって思ってた。でも結局は男子校に入って、環境に女っ気は無くなったけど…。それでもまだ不安は尽きなかった」
そんな風に思っていたんだ。
真剣に話すシゲには申し訳ないけど、ずっと俺と一緒にいたいって思ってくれてた事を知ってひとり舞い上がっていた。
いつもこんな気持ちなんか話してくれないからこそ余計に嬉しくて、一生懸命喋ってるシゲを見ながらずっと可愛いなぁなんて思ってた。
「男友達がその分増えたから…俺の事を見てくれないって勝手に決めつけて、どうしたらもっと俺に興味持ってくれるか考えてた。
無愛想な性格を変えたら、とか、もっと社交的になって話の話題も豊富になったら、とか。」
そんなに悩んでいたとは知らなかった。
シゲの事を放ったらかしになんて絶対出来ないからそんな不安無用なのに、俺は知らず知らずの内に不安にさせていたみたいだ。
「とにかく…変わろうって思った。そこで…俺にも出来そうなキャラ変が中ニ病設定だった。暗黒の世界に住んでるって言えば、無理やり明るくならなくても済むし…何より本に出てくるようなファンタジックな世界が好きだったからすぐに馴染めた。これなら慶ちゃんも面白がってもっと構ってくれるかなって。」
初めて中ニ病患者となったシゲの真相を知った。
何もかも…俺のため？
俺にかまって欲しくて、大袈裟なくらいヴァンパイアを演じていたの？
「俺はずっと慶ちゃんの事ばっかり考えてた。それだけ慶ちゃんの事…好きになっ…」
愛おしくなって、これ以上黙って聞いてるだけなんて無理だった。
可愛くて仕方の無い俺の恋人を思いっきり抱き締めた。
まだ何か言いかけてたけど、もう我慢できない。
シゲに触れたくて、俺は最初からシゲしか見てないよって言いたくて、彼の背中に腕を回した。
リバースカードが切られたその刹那、→←我等はフォーチューン・マリアージュ
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chaimai#(プロフ) - イチゴタルトさん» ありがとうございます！1番！？うわー光栄です！番外編はまたネタが集まり次第...ですかね！笑 (2018年5月31日 10時) (
レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴタルト - すっごくおもしろかったです！ これまでで見た小説の中で一番すきかも(笑) 番外編書いてくれると嬉しいです！ (2018年5月29日 19時) (レス) id: 74a386a12e (このIDを非表示/違反報告)
chaimai#(プロフ) - 慶也さん» 最後まで読んで頂いてありがとうございます！終わりを悲しんでもらえる話がかけて良かったです…。(ﾉ.･)<紳士淑女の皆々様…また会おうぞ…。 (2018年2月8日 20時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
慶也 - 完結おめでとうございます！毎日楽しみにしていた作品で、おわるのがかなしいです…。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 70d225106c (このIDを非表示/違反報告)
chaimai#(プロフ) - しげこさん» 最後まで読んで頂き、更にあ名残惜しく感じて頂きありがとうございます。(ﾉ.･)暗黒の魔界へ誘り奉る…。今宵また会おうぞ人間どもよ。……との事です。 (2018年2月8日 1時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
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