ダークマターは汝の手で生み出す事も看過ごせし ページ23
「く…再びベルモンド家に足を踏み入れる事になろうとは…」
以前来た時は自分から提案するくらいノリノリだった癖に、今回はどうも乗り気で無いシゲ。
きっと初めて会うことに緊張しているのだろう。人見知りだし。
ちなみに俺は祐子ちゃんと何度か顔を合わせたことがあるが、シゲは初めてらしい。
「お兄ちゃんおかえ…、あー！」
突然部屋の扉が開いたかと思えば、祐子ちゃんが飛び出してきた。
それから俺たちを見てはしゃぎ出す。
「久しぶりー！まっすー！慶ちゃん！」
本当に久しぶりだ。
まっすーの言った通り綺麗になって…。
「久しぶり。また可愛くなったね祐子ちゃん」
「えー？もう…！」
分かりやすく照れる祐子ちゃん。
女の子らしくて可愛らしい子である。
「慶ちゃんの人たらし…」
手越がボソッと呟いて、まっすーが不安そうな顔でシゲを見てた。
なになに2人とも、ソワソワしちゃって。
「あ、わたし、お茶持ってくるね！」
祐子ちゃんがぱたぱたと部屋を出ていった。
甲斐甲斐しいなあ。いいお嫁さんになりそうじゃない？
「ユウヤよ」
「あれっ、ベルモンドじゃないんだ」
「ベルモンド家の者が２人居てはな。ファーストネームで呼ぶ事にした」
学校にいる時みたいに４人で会話を弾ませていると、少し違和感を感じた。
何となく、シゲが俺に関心なさそうな…
言ってしまえば、シカトされているような。
「ねっ、シゲ！」
「…ところでまっすー？」
シゲに振っても俺の目を見てくれない。返事をしてくれない。
…何か怒らせちゃった？でも今の流れでどう怒らせるような事ができた？全く検討もつかない。
そんな時、笑顔の祐子ちゃんがやって来た。
「おまたせ！お茶とお菓子だよ！」
祐子ちゃんが持ってきたもてなし。昔好きだったやたら甘いお菓子を渡してくれた。白い手に綺麗なネイルが施してある。女の子の柔らかい手だ。
「慶ちゃん…コレ好きだったよねっ」
「あっ覚えててくれたの？懐かしい〜。ありがとう！」
「えへへ…」
はにかむ顔が可愛いな。彼氏とかいるのかな？手越ってシスコン気味だったし、こんな可愛い子、目の届くところに置いとかないとすぐ盗られちゃうだろうなぁ。
「ネイルも可愛いね？すごく綺麗！」
「気づいてくれたのっ？慶ちゃん、こういうの好き？」
「女の子らしくていいよね。好きだよ！」
「じゃ、じゃあ…毎日綺麗なネイルしてかなきゃ…！」
素直に喜ぶ姿を見て、本当に祐子ちゃん、いい子に育ったなぁとつい親目線で感じてしまう。
それと引換にうちの子は…とシゲを見ると、あまりに暗い顔をしていた。
パンドラの箱、開けるか否か？→←紅い心臓に棲みついたパラサイト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chaimai#(プロフ) - イチゴタルトさん» ありがとうございます！1番！？うわー光栄です！番外編はまたネタが集まり次第...ですかね！笑 (2018年5月31日 10時) (
レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴタルト - すっごくおもしろかったです！ これまでで見た小説の中で一番すきかも(笑) 番外編書いてくれると嬉しいです！ (2018年5月29日 19時) (レス) id: 74a386a12e (このIDを非表示/違反報告)
chaimai#(プロフ) - 慶也さん» 最後まで読んで頂いてありがとうございます！終わりを悲しんでもらえる話がかけて良かったです…。(ﾉ.･)<紳士淑女の皆々様…また会おうぞ…。 (2018年2月8日 20時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
慶也 - 完結おめでとうございます！毎日楽しみにしていた作品で、おわるのがかなしいです…。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 70d225106c (このIDを非表示/違反報告)
chaimai#(プロフ) - しげこさん» 最後まで読んで頂き、更にあ名残惜しく感じて頂きありがとうございます。(ﾉ.･)暗黒の魔界へ誘り奉る…。今宵また会おうぞ人間どもよ。……との事です。 (2018年2月8日 1時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
