紅い心臓に棲みついたパラサイト ページ22
「そういえばうちの妹がみんなに会いたいって」
風邪っぴきから復活した手越。
みんなでお見舞いに行った時の話をしたところ、手越の双子の妹である祐子ちゃんがそう言ってくれたらしい。
「そう、綺麗になってた」
俺たちが引き上げた後だったらしく、まっすーは久しぶりの再会を果たしたという。
俺も久しく祐子ちゃんを見ていない。確かに、久しぶりに会ってみたいかも。
「また手越ん家畳み掛けるか?」
冗談で言ったつもりだったが、手越はあっさりと いいよ と言った。
「今日は真っ直ぐ帰ってくるだろうし。また来る?」
あ、あれ、そうなの?
簡単に彼女との再会が決まり、また放課後は手越の自宅に集合となった。
「フン、ご丁寧に妹君の紹介とな?油断ならん...。上手くテリトリーに誘い込み、2人で私を抹殺する気ではあるまいな!」
「ひどーい。可愛い可愛い妹なのにぃ」
「だが事実こうしてヴァンパイア・ハンターの末裔がもうひとり居ることを隠していただろう!全く油断も隙も無い男だ。この下等種族め。」
「ふーん...そんな事言っちゃうんだぁ」
ふらりと手越が立ち上がり、シゲに近づく。
びくりと肩を震わせたシゲは動かない。
それから手越は勢いよくシゲに抱きつき、そのまま耳を甘噛みした。
「ひゃあ!?てっ...てごっ、し!やめ、けーちゃん!けーちゃぁん!」
そら見たことか。
手越が復活したことでまたまた意地悪されるハメになった。
相変わらず、半泣きのシゲはぎゃんぎゃん騒いで俺に助けを求める。
可愛いからもう少し見ていよう。
「けーちゃ...!助けてよぉ!笑うなぁっ!あぅぅ...」
「...。」
「撮るなぁーッ!」
ごめんごめん。顔真っ赤にして涙目のシゲがつい可愛くて。
シャッター音が鳴るたびに、子犬がきゃんきゃん吠えているかのように怒るのでこれがまた可愛い。
俺、シゲが恋人になった途端デレデレだな。あ、その前もこんな感じ?
本当はもっと恋人らしいことしたいんだけどね。友達の時じゃできなかった事。
なかなかそこまで行くのは難しそうだけど。なんたって相手は超照れ屋なシゲだし...。
以前、2人っきりの帰り道でキスをせがんだら、
「吸血鬼の唇に触れるということは血を吸われると言う事。この意味が分かるか?死だ!DIE!DEATH!」
「シゲとキスして死ねるなら本望だからキスしよ。てか前したよね?」
「き、貴様もっと命を大事にしろ!」
悪魔にそんな事言われるとは...。
というわけで、こんな調子でキスのひとつもできてません。
ダークマターは汝の手で生み出す事も看過ごせし→←盲目の天使とロザリオ
78人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chaimai#(プロフ) - イチゴタルトさん» ありがとうございます!1番!?うわー光栄です!番外編はまたネタが集まり次第...ですかね!笑 (2018年5月31日 10時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴタルト - すっごくおもしろかったです! これまでで見た小説の中で一番すきかも(笑) 番外編書いてくれると嬉しいです! (2018年5月29日 19時) (レス) id: 74a386a12e (このIDを非表示/違反報告)
chaimai#(プロフ) - 慶也さん» 最後まで読んで頂いてありがとうございます!終わりを悲しんでもらえる話がかけて良かったです…。(ノ.・)<紳士淑女の皆々様…また会おうぞ…。 (2018年2月8日 20時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
慶也 - 完結おめでとうございます!毎日楽しみにしていた作品で、おわるのがかなしいです…。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 70d225106c (このIDを非表示/違反報告)
chaimai#(プロフ) - しげこさん» 最後まで読んで頂き、更にあ名残惜しく感じて頂きありがとうございます。(ノ.・)暗黒の魔界へ誘り奉る…。今宵また会おうぞ人間どもよ。……との事です。 (2018年2月8日 1時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ