トワイライト・シークレットは瞭然たるや？ ページ16
家に着いて、真っ直ぐに自室に閉じこもって、ベッドに身体を投げ出す。
失恋した女子かよ、って自分が無様に見える。
俺、なんでこんな事してんだろ。
手越に言われて想いに気が付いて、だけどその瞬間シゲの恋愛が上手くいって、気付いたばかりの片想いが崩れ去る。
目まぐるしいな。不幸になる為にシゲに恋してたのかと胸が押しつぶされそうになる。
放り出した鞄の中から着信を告げる音がした。
携帯を鞄から出してすらいない。だらしがない。情けない男。自分が小さく見えた。
嫌々携帯を取り出して、緑の受話器ボタンをタップする。
手越からだった。部活はどうしたんだよ。
「…もしもし」
「けーちゃん？今家？」
何かあったのかと手越の次の言葉を急く。
「…シゲに何かしたの」
手越は俺の気持ちを知っている。
だから責めるような声じゃ無かったけど、手越の声をした心の中の俺が自分自身を責める。
「…」
冷たく突き放してしまった心当たりがある俺は、肯定の意味を込めて今のシゲの状況を聞いた。
「けーちゃんに嫌われたって、さっきまっすーに泣き付いたみたいでさ。たまたま俺が休憩のつもりで教室に戻ったら、泣いてるシゲと慰めてるまっすーがいて。
…話聞いたら、心当たりは無いけど俺が何かしたかも知れないって、シゲが自分を責めてるから…。」
あぁ、俺はどこまで馬鹿なんだろう。
挙句の果てに好きな人を泣かせるだなんて。
シゲが一番悲しい時に、傍に付いててやるべきなのは俺なのに。
「ね、言ったでしょう？」
それから俺を安心させるかのように手越は言う。
「シゲはけーちゃんの事が大好きなんだって。」
それから俺は大慌てで学校に戻った。
待ってるからって。シゲも俺に会ってくれるからって。
ごめんね。想いを伝える前に傷付けてしまうなんて最悪だ。
自己嫌悪と嫌われていないかという恐怖心に苛まれながら、シゲが待ってくれている教室までたどり着いた。
手越とまっすーが気を利かせて、教室から離れてくれているらしい。
ということはまた、この教室で２人っきりである。
「…シゲ」
恐る恐る扉を開けば、すぐ視界に捉えた愛しい人。
目を腫らして、ぐずぐずと鼻をすする。
キッと睨まれて思わず踏み出した足が止まりかけた。
「シゲ、俺…」
「馬鹿！」
真っ先に飛び出したのは、そんな可愛いお怒りの言葉。
なんで俺の事でそんなに泣くんだよ。
どうして先に帰っただけで嫌われたって思っちゃうんだよ。
愛しさが溢れる。気付かなくてごめんね。今ならはっきり言えるよ。
「…俺ね、シゲの事が好きなんだ」
プリマ・ヴィスタ＝デディケイト→←ドン底で見るパニッシュメント・ハートの終幕
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chaimai#(プロフ) - イチゴタルトさん» ありがとうございます！1番！？うわー光栄です！番外編はまたネタが集まり次第...ですかね！笑 (2018年5月31日 10時) (
レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴタルト - すっごくおもしろかったです！ これまでで見た小説の中で一番すきかも(笑) 番外編書いてくれると嬉しいです！ (2018年5月29日 19時) (レス) id: 74a386a12e (このIDを非表示/違反報告)
chaimai#(プロフ) - 慶也さん» 最後まで読んで頂いてありがとうございます！終わりを悲しんでもらえる話がかけて良かったです…。(ﾉ.･)<紳士淑女の皆々様…また会おうぞ…。 (2018年2月8日 20時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
慶也 - 完結おめでとうございます！毎日楽しみにしていた作品で、おわるのがかなしいです…。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 70d225106c (このIDを非表示/違反報告)
chaimai#(プロフ) - しげこさん» 最後まで読んで頂き、更にあ名残惜しく感じて頂きありがとうございます。(ﾉ.･)暗黒の魔界へ誘り奉る…。今宵また会おうぞ人間どもよ。……との事です。 (2018年2月8日 1時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
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