カルテ58 ページ9
.
リーゼントの彼にはちゃんと寝ているように言いつけ、私は急いで集中治療室へ向かう
到着すればそこには医師とナースの人だかりが出来上がっていた
「あ、志吹先生!」
「後は私がやるので」
「あぁ、頼んだ」
他の医師には戻ってもらい、ナースにも他の用事を頼んだ
簡単に言えば人払いだ
治療室に入れば彼はうっすらと開けた目で私を見る
私が隣に来れば何かを喋ろうと口を小さくだがパクパクと開く
だが酸素マスクと重症の所為もあって、何を言っているのか分からない
一方的になってしまうが、一応声を掛ける
「よく帰ってこれたな…、もう大丈夫だ。今から診察するから、じっとしていて」
「………」
私の言葉に彼は小さく頷いた
声を出すのは諦めたか
無理をして欲しくなかったから有難い
診察をしている内に気付いた
彼の腕にあった入れ墨
そこには英語で"ACE"と書かれていた
彼が…"エース"……
ニューゲートさんが助けようとして、助けられなかった仲間…
その人が今、私の目の前に居るんだ
背中にもニューゲートさんを模したような入れ墨が大きく入っている
間違いない
彼がエースなんだ
一通りの診察が終わった私は他の医師にカルテを頼もうとした
しかし、それを彼は許さなかった
白衣の裾を微弱ながらも引っ張り、私を止める
振り返れば今にも泣きそうな顔をしたエースが居る
不安なのか、それとも別の事を思っているのか
私には分からない
だが…ここで1人にさせてはいけないと思った
気が付けば私は彼の顔の傍に近付き、視線を合わせる
私が離れないと分かったからか、彼は表情を柔らかくする
子供らしい無邪気な笑みがよく似合う
自分でも気が付かない程私は自然に彼の頭を撫でていた
目を見開く彼を他所に私は出来るだけ優しく撫でた
それが嬉しいのか彼は目を閉じて気持ち良さそうに微笑む
弟のような感じがするな
「まだ辛い筈だ、ゆっくり休むと良い」
「……」
また小さく頷いた彼は、まるで吸い込まれているかのように眠りに就いた
容態が安定しているのを確認してから私は治療室を出る
.
.
これが、彼等との別れとも知らずに…
.
(処方:安心感)
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
319人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユリシィ(プロフ) - さゆしゅん(?òωó?)さん» お馬鹿ですよ〜 (2016年12月27日 14時) (レス) id: 8e520c148b (このIDを非表示/違反報告)
さゆしゅん(?òωó?)(プロフ) - ユリシィさん» お馬鹿ってwwwww (2016年12月12日 21時) (レス) id: 502b7682bf (このIDを非表示/違反報告)
ユリシィ(プロフ) - さゆしゅん(?òωó?)さん» おバカな家族ですwww( ̄▽ ̄) (2016年12月11日 8時) (レス) id: eaa03fccd8 (このIDを非表示/違反報告)
さゆしゅん(?òωó?)(プロフ) - ユリシィさん» いいねぇ!それ!! (2016年12月11日 0時) (レス) id: 502b7682bf (このIDを非表示/違反報告)
ユリシィ(プロフ) - さゆしゅん(?òωó?)さん» そうそう、ウチの家族なんか皆"楽しければ全て良し"って精神ですから(´-ω-`) (2016年12月10日 23時) (レス) id: eaa03fccd8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユリシィ | 作成日時:2016年11月19日 15時