カルテ74 ページ25
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初めて見た女の微笑みに3人は自然と見入ってしまった
顔をジッと見られていることに女は首を傾げる
「あの……??」
「あらやだ、ごめんなさいね!あんまりに綺麗だったから見惚れちゃったわ」
「君は笑顔がとても似合う女性だね」
裏表のない夫婦の褒め言葉に女は恥ずかしかったのか、布団で顔を半分近く隠す
黒髪の隙間から見える真っ赤な耳が美しさに愛らしさを加える
しかしその空気も、医者の真剣な顔で出された話で打ち切られる
「さて…、問題なのはこれからだ。彼女はどうやら記憶を無くしてしまっているようなんだ」
「記憶を?」
「ならお前さん、自分の名前も分からないのかぃ?」
「……はい………」
先程の笑顔とは一変して悲しそうな顔になる女
元が美人な為にその表情もまた美しく、男の庇護欲を駆り立てるものだ
しかし今回その顔に心打たれたのは、女性だった
「ならウチにおいで!そんでウチの店で住み込みで働けばいいさ!」
「…ぇ……?」
「どうだい?アンタ」
「そうだね、それがいい。他に行く宛もないならウチに来ればいいさ。丁度部屋も余っているんだ」
夫婦の出された案に女は戸惑う
見ず知らずの、それも記憶を無くした人間をそんな易々と受け入れて良いのだろうか
助けを乞うように医者を見たが、苦笑を返された
夫婦の、主に女性の勢いには勝てないと言いたいようだ
女性は嬉しそうに話し続ける
「ウチは喫茶店でね、丁度バイトを雇おうと思っていた所なのさ。こんな別嬪さんに注文聞かれたら、客はイチコロだよ」
半分は利益目当てのようだが、それも冗談だとすぐに分かる
そんな女性の面白い勧誘に女は小さく噴き出して笑った
女性が持つ明るい笑顔に感化されたようだ
ひとしきり笑った後、女は真剣な顔で2人に聞いた
「…迷惑じゃ、ないですか?」
「あぁ、勿論さ」
「こうして会ったのも何かの縁だよ」
嫌な顔1つせずに答えた夫婦の優しさに女は静かに涙を流しながら微笑んだ
「…今日からお世話になります、宜しくお願いします」
「宜しく。えっと……」
「名前を付けないとねぇ。……ミカゲ、ミカゲなんてどうだい?」
「ミカゲ……、私は…ミカゲ」
女、いや…ミカゲはそう言って小さく微笑んだ
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(処方:命名)
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
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ユリシィ(プロフ) - さゆしゅん(?òωó?)さん» お馬鹿ですよ〜 (2016年12月27日 14時) (レス) id: 8e520c148b (このIDを非表示/違反報告)
さゆしゅん(?òωó?)(プロフ) - ユリシィさん» お馬鹿ってwwwww (2016年12月12日 21時) (レス) id: 502b7682bf (このIDを非表示/違反報告)
ユリシィ(プロフ) - さゆしゅん(?òωó?)さん» おバカな家族ですwww( ̄▽ ̄) (2016年12月11日 8時) (レス) id: eaa03fccd8 (このIDを非表示/違反報告)
さゆしゅん(?òωó?)(プロフ) - ユリシィさん» いいねぇ!それ!! (2016年12月11日 0時) (レス) id: 502b7682bf (このIDを非表示/違反報告)
ユリシィ(プロフ) - さゆしゅん(?òωó?)さん» そうそう、ウチの家族なんか皆"楽しければ全て良し"って精神ですから(´-ω-`) (2016年12月10日 23時) (レス) id: eaa03fccd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリシィ | 作成日時:2016年11月19日 15時