カルテ61 ページ12
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院長は机の向こうからゆっくりと、しかし怒りの感情を漏らしながら近付いてくる
その歩き方、引いては動作の全てが私にとっては不快でしかない
私の前まで来たかと思えば、全身を舐め回すような目で見る
「見た目が良いからと言ってチヤホヤされているが、あまり調子に乗るな。所詮は小娘、自分の立場を弁えて行動するんだな」
あぁ
我慢の限界が来たようだ
私は自分より身長の低い院長を見下ろしながら答える
いつもよりワントーン低い声が自分の口から出るのは少し不思議な気分だ
「ではあの時自分が執刀しなければ、この様な事態にならなかったと…本気で仰っているのですか?」
「!?」
院長は目を見開いて驚く
無理もない
今までの私は、ただ頭を下げて言う事を聞いてきた…言わば従順な下僕だ
そんな私から聞いた事の無い声音で反論されている
院長にとっては予想だにしない展開だろう
それでもこの男は、私を黙らせ、縛るつもりなのだろう
依然と厳しい顔で私を睨み続ける
「…少なくとも、これよりは幾らか良い状況だっただろう」
「その根拠は一体どこから?貴方に未来が見えると言うなら異論は御座いませんが」
「君は居るだけで周りに迷惑を掛けるという自覚がないようだな」
「なら何故私をこの病院に留めるのでしょうか。そこまで言うなら解雇すればいいではないですか」
「っ…減らず口を叩くな、小娘が」
「その小娘の医術に頼っているのは一体どこの誰でしょうか」
「………ッ」
苦虫を噛み潰したような顔をしてこちらを睨む院長
だが全く怖くも何ともない
私は以前からこの男が嫌いなんだ
今更恐怖の対象に変わりうることなどあり得ない
私の勢いは止まらない
「今まで院長がなさってきた汚職の数々、公にしても構いませんが?」
「っ!!?」
「別に私は何の問題もありません。院長のみ辞退に追い込むことなど容易です。それを分かっていながら私を責めるなんて…無謀にも程があるかと」
「黙れ!!そ、そんな事をして、ただで済むと思っているのか!?」
「先程も言いましたが、別に私は解雇されても問題ありません。他の病院に移るも良し、副業に専念するも良し。私にはまだ選択肢がありますので」
そう言った時の院長の顔は、何とも無様だった
私、性格悪いな…
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(経過:辞表)
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
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ユリシィ(プロフ) - さゆしゅん(?òωó?)さん» お馬鹿ですよ〜 (2016年12月27日 14時) (レス) id: 8e520c148b (このIDを非表示/違反報告)
さゆしゅん(?òωó?)(プロフ) - ユリシィさん» お馬鹿ってwwwww (2016年12月12日 21時) (レス) id: 502b7682bf (このIDを非表示/違反報告)
ユリシィ(プロフ) - さゆしゅん(?òωó?)さん» おバカな家族ですwww( ̄▽ ̄) (2016年12月11日 8時) (レス) id: eaa03fccd8 (このIDを非表示/違反報告)
さゆしゅん(?òωó?)(プロフ) - ユリシィさん» いいねぇ!それ!! (2016年12月11日 0時) (レス) id: 502b7682bf (このIDを非表示/違反報告)
ユリシィ(プロフ) - さゆしゅん(?òωó?)さん» そうそう、ウチの家族なんか皆"楽しければ全て良し"って精神ですから(´-ω-`) (2016年12月10日 23時) (レス) id: eaa03fccd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリシィ | 作成日時:2016年11月19日 15時