検索窓
今日:5 hit、昨日:38 hit、合計:40,607 hit

♡‬ 49 ページ9

暗い帰り道。
隣にはスキップしそうなルンルン小瀧。



返事してないのにこんな幸せそうやけど
返事返したらどうなるんやろ。



小瀧の希望で向かうコンビニ。
ちょっとでも一緒に居たいなんて恥ずかしいセリフを
いとも簡単に吐くのだからイケメンは困る。



今回はあたしが奢ってあげてもいいかな、なんて。



「小瀧、お菓子何が好きなん」



馴染み深い入店音が鳴る。
あたしたちと同じ制服を来た客は見る限り誰もいない。



『俺おつまみ系が好き!』


「買ってあげる」


『え…ほんま?』


「練習、頑張ってたし。本番頑張れの意味も込めて」



きらきら、きらきら。
エフェクトつけてんのか。
こんな姿見たら学校の半分どころの騒ぎじゃない。



大股でおつまみコーナーに行く小瀧についてって一緒に眺めた。
真剣に悩む横顔を時折盗み見ては
笑みが零れそうになるのを抑える。



『これにするー』



選ばれたのはチーかまでした。
えへへと笑っている可愛い小瀧からそれを受け取り、会計へ。



『ありがとう、大事に食べる!』



胸の前でぎゅっとチーかまを抱きしめる小瀧は
きっと女子に向いている。
でも道の車道側歩いてくれるからしっかり男やってるし。



ハイブリッドは狡い。



『なぁなぁ、飯どこ行く?』


「んー、肉」


『最高。焼肉行く?』


「うん、焼肉行こ」



また喜ぶ彼を隣で感じていたら、時が過ぎるのは早く。
もう家の前に着いた。



肌寒い風がひゅるり、二人の間を通る。



「ありがと。また月曜日」



うん、と頷いた小瀧が優しく笑う。
舞台でも彼はこんな風に笑うシーンがあるけど、
それとは全然違った。



胸を甘く締めつけるそれに、
改めて彼が好きなのだと思い知らされる。



『おやすみ。またな』



あたしが玄関に入るまでその場から動かなかった彼の背中を
2階に駆け上がって見送ったのは秘密。

♡‬ 50→←♡ 48



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (144 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
306人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:カジャ | 作成日時:2022年10月18日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。