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番外編 : エピソードゼロ ページ40
初めて2年のクラスに腰を下ろした時から
気になってはいた。
黒く長い髪をストンと下ろし、冷たい瞳を持ったあの子。
｢ わ、小瀧くんと同じや。ラッキー！ ｣
｢ 合法的に見つめられる… ｣
好き勝手言ってる女子にも一応挨拶程度の言葉を返し
後ろを振り向く。
『なぁしげ、あの子なんていうん？』
小瀧と重岡やから間に｢さ｣がいなければ俺らは前後。
去年も同じクラス、同じ名簿順。
人見知りやった俺にしげが｢お前でかいな！｣って
言ってきたのが最初の会話。
｢んー？んーっと、AAさんやったかな｣
『Aさんか…』
ギャーギャー騒がない。
落ち着いた彼女の態度が余計に冷たさを強調させるけど
そんな彼女の傍に友達が寄ってくと、愛想良く笑顔を見せた。
最初の最初は、まじでそんなもん。
ギャップある子やって思った。
でも日が経ち話す機会があっても、なぜか俺には冷たいままで。
俺にも笑ってほしい。
そう思ってたらいつの間にかずっとAのこと考えてた。
冷たい顔しか見せてくれへんAが、笑ってくれたら。
照れたり怒ったり悲しくなったらどんな顔するんかな。
ずるい俺は周りから囲ってって。
クラスも部活も、3万のフォロワーも味方につけて。
だいぶでっかい落とし穴作ってたんやで。
無事に落ちてきてくれてよかった。
高野のとこいかんくてよかった。
｢望ー、｣
俺を呼ぶ透き通ったその声に、今日も好きが溢れるわ。
『はぁーい望やでー！』
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年10月18日 19時
