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人の波である。
凄まじい人が体育館横の広場で待っている。
もちろんキャストと写真を撮るため。
小瀧とモカちゃんは言わずもがな長蛇の列で
ガストンや他の子達のところにも
先輩後輩問わず詰めかけられていた。
あたしも…あたしも一応写真撮りたいけど…
まぁ教室帰ってからでいいか。
｢ あの、美女と野獣の監督さんですよね！｣
そう言われ、振り返ると2人組の男の子。
の後ろに3人組の女の子。
の後ろに…以下略。
｢そうですよ、どうかしました？ベル役の子はあっちに…｣
ネクタイの色を見ると1年生の子だ。
ちょっと待ってくれ。段々あたしのとこにも
列が出来てるのは気の所為か。
｢ いえ！監督さんと写真撮りたいです！｣
…いや、何で？
え何で？正直監督なんか関係なくね？
｢ ほんまに感動したんで、ぜひ記念にって思ったんすけど…
無理っすかね？ ｣
｢…1枚だけにしてね｣
｢ あざす！｣
人がいるところに人は集まってくるもので。
最後のあの一瞬しか出んかったのに皆あたしが監督って
ちゃんと分かってるのがすごい。
結局1時間ぐらいずっと撮りっぱなしで、その頃にはもう
小瀧もモカちゃんの姿もなかった。
袖で立ってるだけのあたしがこれだけ疲れるのに
演技したあと1時間以上も撮ってたキャストまじで尊敬。
｢ お疲れやのにすいません…あの、よかったら写真送るんで
インスタ交換しませんか？ ｣
疲れてもうて、普段なら絶対遠慮しとくところを
もう何でもいいから早く解放してくれと何人もに
インスタを教えてしまった。
あぁ…仲いい子だけやったはずが今日で50人ぐらいは増えたぞ…
教室に帰る頃にはヘトヘトだった。
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年10月18日 19時
