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夕日がほぼ沈み、辺りはだいぶ見にくい。
体育館に電気はついておらず
バッシュとボールが跳ねる音だけが響いていた。



…七不思議にありそうな場面や。



もちろん七不思議ではなく、小瀧が走ってるんやけど。
戸も開けんと走り回ってるから見てるこっちが暑くなる。



そっと隅っこで見ていたら、スリーポイントラインで
小瀧が構えた。
綺麗なフォームで、綺麗な弧を描いて放たれたボールが
スポッと気持ちよくゴールに入る。



思わず拍手してしまっていた。



『え!Aさんやん帰ってなかったん?』


「図書室で本読んでた」



真剣だった表情が一転、柔らかい笑顔でこっちに近づいてくる。
タレ目がくしゃりとなる可愛らしさにまた目を逸らしてしまう。



『あっつー、Aさん汗拭いてー』


「な、自分で拭きや」


『えー拭いてやー』



後ろ手に持っていたスポドリの底を
ピタッとおでこにくっつけた。
イケメンがいきなり甘えてくんな心臓に悪い。



『おおっ、冷た笑』


「あげる。重岡から」


『しげから?…Aさんからかと思たのに』



ちょっとだけ眉を下げた小瀧。



スポドリを開けてごくごく飲む小瀧の喉仏に視線が吸い寄せられる。



向こうからの視線がない分には見られるから
この際しっかり見ておいた。



顔ちっちゃいし目大きいし鼻筋通ってて唇もぷっくりで…
眉毛凛々しいしその上にあるほくろが何か愛らしい。
耳は大きいけどその分顔の小ささが…あれ、耳ちょっと赤いな。



お猿さんみたいで可愛、くない。可愛くない。



『なぁ見すぎ笑 照れるんやけど』


「あ、ごめん」


『俺が見てる時は見てくれへんのに、
見てなかったら俺の事見てるんや?笑』



いつの間にかごくごくタイムは終わっていたらしく、
本当に照れた様子で笑う小瀧があたしを見ていた。



なんか…可愛い。
あ。思ってしまった。



もういいわ。小瀧ってイケメンのくせに可愛い。
完璧かよ、腹立つ。

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作者名:カジャ | 作成日時:2022年9月12日 21時

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