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竜｢冷たく見えるけどさ、結構傷つきやすいよな｣
ポン、と頭に手が乗った。
鼻の奥が痛くなる。
あたしは弱い。
皆がどれぐらいなのか知らないが、相当弱い。
それを悟られないように仮面をつけていたつもりだった。
心が弱いからすぐ誰かを求める。
そんな自分は嫌で、周りに少し冷たい態度をとることで
自分自身にもブレーキをかけていた。
マナミたちも多分このことは分かってない。
やのに、何でただ隣になっただけの竜雅くんが。
竜｢結構見てたで、Aさんのこと笑｣
竜｢Aさんは小瀧に必死やったかもやけど｣
｢え、｣
やめて。
あたしにそういう優しい言葉をかけんといて。
勘違いするんよ。
すぐ自分に都合いいように考えて。
変わりたいのに変われへんの。
だからもう隠すことにしたのに。
竜雅くんが1歩踏み出してあたしに近づいた。
メガネを外し、本当にコンタクトになった竜雅くんは
密かに今女子人気が上がっている。
竜｢あのさぁ、タイミング絶対違うけどさ｣
小瀧とは違う、薄い唇が開く。
竜｢俺、Aさんのこと好き｣
『お前ら何してんねん、っ、はぁ…』
竜雅くんが言いきるのと同時にまた地を踏みしめる音が聞こえた。
というか、荒々しく土を蹴る音。
あたしたちの前に現れた小瀧は、息が切れていた。
竜｢お前タイミング悪いわ、もう10秒後に来いや｣
『何してんねんって、聞いてるんや…』
竜｢見たら分かるやろ。俺が迫ってる｣
半ば煽るように返す竜雅くんにハラハラする。
小瀧は大きな目を更に大きくして、あたしと竜雅くんを
交互に見た。
そうやん、こんなとこ見られたら小瀧に誤解される。
慌てて離れて立ち上がれば、ふらりと目眩がした。
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月12日 21時
